【新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX STANDARD EDITION】全内容を詳しく解説

2021年1月23日。

本当だったら、今日はエヴァ新劇の最新作でもあり最終章でもある「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が公開されていた日です。

ただ残念ながら現在は新型コロナウィルスの猛攻撃が起こっている状態。

人類が未知の存在に圧されている状態なので緊急事態宣言も発令。

その影響で映画の公開は再延期となりました。

ということでせっかくなので待っている間にもう少しおさらいしておこうというのと、本来は記念デーになったはずのこの日にブルーレイBOX「新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX STANDARD EDITION」を購入してみました。

このBOXについては各所で触れられているのですが、特典多数にも関わらず詳しい内容について書いているサイトが見当たらなかったので、全内容について解説していきます。

新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX STANDARD EDITIONとは

まずこのBOXがどんな位置づけかというと、TV放映された「新世紀エヴァンゲリオン」のTV放映バージョンとビデオバージョンを全話収録、更に後に公開された映画2作もバージョン違い含めて収録。

それプラス特典映像としていろんな映像をとにかくかき集めてブルーレイディスク10枚に収めたかなりのマニアックBOX。

STANDARD EDITIONって?

ここで疑問に思うのが「STANDARD EDITION」という表記。

STANDARDと付いているからには別にSTANDARDでは無い何かが存在していることになるのですが、それが2015年8月26日に発売された「新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX」。

こちらはすでに廃盤になっていて入手困難なのですが、当時の定価が税抜38000円というちょっとお財布に厳しいお値段でした。

そこで当時アクリル製特製BOXだったのも紙製に変更、170ページのブックレットと元々レーザーディスクの封入特典だった「EVA友の会」全14号の特典も省いて価格を2万円OFFの税抜18000円に下げて再発売したのがこの「STANDARD EDITION」で、ディスクの枚数や収録内容は全く同じなので、もし特典にこだわりが無いのであれば当時お高かったBOXをかなりお得な価格で入手できることとなります。

収録時間もたっぷり

ブルーレイという高密度ディスクでありながら10枚組というボリュームなので、それ相応の収録時間となっており、本編が1068分(17時間48分)、映像特典514分(8時間34分)、音声特典65分という合計1647分(27時間27分)という1日徹夜してぶっ続けて見ても足りないという恐ろしい内容になっています。

パッケージ

パッケージは紙製でシンプルなデザイン。

背表紙もシンプルでどこにもブルーレイBOXであることは表記されていないので、もしシュリンク包装を剥がしたBOXが中古で販売されていても全く内容が不明になります。

唯一正式な商品名と内容がわかるのがこちらのラベル。

これ写真で撮影して機械的に画像処理が行われたので見やすいのですが、目視では確認するのに一苦労する色使い。

視認性よりもデザインを優先したのか、印刷してみたら思った以上に見えにくかったけどそのままGOサインを出したのかのどちらかでしょう。

内容

中に入っているのはまずは解説書。

単体で発売されているブルーレイシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray STANDARD EDITION」のパッケージで使われているアートワークと、スタッフなどのクレジット、特典の解説などが記載されている30ページのブックレット。

ディスクはこれまたシンプルデザインのジャケットで10枚組パッケージに収められています。

このパッケージ、Amazonのレビューなど見るとかなり不評のようで、みなさんやっぱりそれぞれのディスクをアートワーク付きパッケージに独立して入れてほしかったのでしょうね。

実際、音楽を担当された鷺巣詩郎さんのエヴァサントラ集「S2 WORKS」とかはそれぞれプラケースに入っていたので、そういうのを期待されての発言でしょう。

中のディスクはこんな風にセットされています。

私はパッケージされたものが全てだと考えていますし、独立パッケージで価格が25000円とかになるくらいならこれでも十分です。

ではディスクごとの収録内容について解説していきます。

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DISC1〜3

第壱話〜第拾八話までのTVバージョンを収録。

より綺麗な映像に

TV版の16ミリフィルム原版をテレシネ(フィルムからブルーレイ用映像に変換すること)し再調整を施したHDリマスター映像(920×1080の2K画質)で収録しているので、流石にここ最近放送されるようなアニメの画質とまではいきませんが、26年前のアニメということを考えると十分に綺麗な画質で楽しむ事ができます。

オープニングとエンディングに関しては元のフィルムが32ミリなのでさらに綺麗で、特に2号機の赤色やテロップも鮮やかに表現されています。

ただし残念なことに第拾六話の「死に至る病、そして」だけはフィルムの原版が存在しておらず、SD画質(720×480のアナログ時代の画質)で収録された映像をHD画質にアップコンバート、いわゆる拡大コピーみたいなことをしているのでボヤッとした感じの画質になっています。

けっこうこれもツッコミの多い部分になっていますが、無いものはどうにもならないし、めちゃくちゃ画質が劣っているかと言えばそこまででも無いので許容範囲と言えるでしょう。

時代がもっと進んでAIによる画像変換技術などが発達したころに再び修正されるでしょうから、高画質で見たい方はしばらくは辛抱です。

こだわった音声

音声は当時のテレビ放送版である2チャンネルのステレオ音声に加え、5.1チャンネルのリニューアル音声バージョンを選択する事ができます。

これは2003年にDVD−BOXを発売する際に音声の大幅なにリューアルを行い、セリフ・音楽・効果音の3大要素を素材から見直し、庵野監督の指揮下でリニューアル作業を行ったとのこと。

音楽はマスターテープから再ミックスダウンを行い、背景音となるガヤやネルフ発令所内の音声を追加録音するなどかなりこだわったサウンドに仕上がっています。

実際、オープニングの「残酷な天使のテーゼ」は広がりのある誰が聞いても違いがわかるサウンドに変わり、第壱話の初号機がシンジを守るシーンの効果音なども奥でL.C.Lに鉄骨が落下するなどの臨場感が増しており、ステレオ再生のTVでもサラウンド感を体感することができます。

特典映像

特典映像として各話の最後に流れる15秒バージョンの予告とは別に30秒バージョンの予告が収録されています。

30秒バージョンはテレビで使用される目的で作られたわけではなく、ビデオ用に作られた予告編です。

もう一つの特典がAR台本が各話収録されています。

ARというのはAfter Recordingの頭文字を並べたもので、テレビ放送用に使う最終的な台本となります。

こちらは効果音の事やシーンナンバーなどかなり細かく記入されており、普段アニメの仕事にご縁のない人は見ることもないのでけっこう貴重かもしれません。

日本語字幕

特典とまでは言えないかもしれませんが、日本語字幕を表示することも可能になっているので、これまで耳が不自由だった方にもより楽しめるよう配慮されています。

DISC4

第拾九話〜第弐拾弐話のTVバージョン、それに加えてビデオ・フォーマットバージョンの第21話と第22話が収録されています。

ビデオ・フォーマットとは?

エヴァのビデオやLDは各2話ずつ収録され1996年の2月から約1ヶ月おきに発売開始されました。

ところが第拾九話と第弐拾話を収録した1996年12月にリリースした10本目で発売は一旦ストップし、1997年3月に「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」が公開されます。

この映画はシャッフルされたTV版の総集編であり、作画を書き直したり新作カットも追加された作品でもありました。

ビデオ・フォーマットバージョンは「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」で使用された新作カットや新しい作画を取り入れたバージョンで、例えば第21話はオーニングの前に「シト新生」の一番最初のシーン、セカンドインパクトが起こる直前の監視カメラ映像のシーンが追加されるなど、より監督の意向を反映した作品になっている事に加え、2作目の劇場版である「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」にシームレスに繋がるようになっています。

話数表記も変更

話数表記はTV版が漢数字だったのに対し、夏の劇場版の第25話・第26話に合わせて英数字で区別されていて、途中に挿入されるアイキャッチ画面でも21’のように「’」が付加されています。

ただし、パッケージなどに限った表記のみの違いで、本編映像のタイトルではTV版と同樣の漢数字が用いられています。

なお、映像や音声、特典に関してはDISC1〜3と同樣ですが、特典としての30秒バージョンの予告は第拾九話と第弐拾話のみの収録。

これは第20話以降のビデオ・バージョンがそもそも30秒の予告編のため。

DISC5

TVバージョンの第弐拾参話〜最終話までを収録。

ビデオフォーマット・バージョンは第21話〜第24話までを収録し、映像・音声についてもDISC1〜4と同樣で、次回予告はビデオフォーマット版にあるので特典としてはAR台本のみ収録されています。

なお、第弐拾五話と最終話の追加映像などを付加したビデオフォーマット・バージョンは無く、その変わり夏の劇場版の第25話・第26話がそれに相応するようになっています。

ビデオやLDでの発売時は12本目までは2話ずつの収録でしたが、13本目は第弐拾五話と第25話、14本目は最終話と第26話という組合わせで発売され、夏の劇場版をビデオフォーマットとして再構成したバージョンはDISC9に特典映像として収録されています。

DISC6

BOXを購入する動機が一番多いと思われるのがこのDISC6の収録内容。

通称春エヴァと呼ばれている1997年3月15日公開の劇場版第1作目「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」。

「シト新生」ってこれ以降ほとんど使われる事無く、どちらかというと英語表記である「EVANGELION:DEATH」の方が露出が高いかも。

3つのバージョンが存在

このDEATH編というのがちょいとややこしくて、全部で3バージョン存在します。

1つ目が純粋な1997年3月15日に公開された初回劇場公開バージョンで、タイトルも「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」。

そして2つ目が1998年1月2日にWOWOWで放映された「EVANGELION:DEATH(TRUE)&REBIRTH」。

そして3つ目が1998年3月7日に公開された「REVIVAL OF EVANGELION」こちらは春と夏の同時上映なのですが、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」という「(TRUE)」に更に「2」がついた再々編集バージョンとなっています。

これは今更説明するまでもなく庵野監督の意図を反映するためという理由でリビルドされたのですが、今までDVD化などされる際は「DEATH(TRUE)2」編ばかりで初代のバージョンは未公開のまま、しかも後半パートである「REBIRTH」が唯一収録されたDVDが1999年9月発売の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」で(ただし収録されているDEATH編は「(TRUE)2」)、すでに廃盤となっているため入手困難とされてきました。

長くリリースされなかった「REBIRTH」

特に「REBIRTH」編は夏の劇場版前半を描いたもので、話は途中で終わってしまうものの、TV版のオープニングを歌う高橋洋子のもう一つの名曲「魂のルフラン」がエンディングに起用されているので収録を望む声が多かった作品ですし、そもそも完成バージョンと違う音楽やアフレコ音声、作画も含まれるので、ファンとしては手に入れたい作品の1つです。

そんな中でやっと初代の姿のまま収録されたのがこのブルーレイBOXで、元となる2015年のBOX収録まで実に18年間封印されてきたわけです。

なお画質については劇場公開当時のプリントフィルムからのテレシネでHDマスターとなっていますが、そもそものフィルムがそれほど質が良くないようで、全体的にノイズが目立つ状態になっています。

ただ、作品がテレビの総集編ということもあるし、エヴァの場合は意図的にノイジーなシーンも演出として出てくるので、ノイズも時代の経年劣化も含めてこの作品の一部なんだと思いながら鑑賞しています。

特典映像

予告編としてTV版映像を流用した「特報」と夏の劇場版のセリフを散りばめた2つが劇場用として収録。

TV用として「前売り券発告知」「前売り券発売中」「公開前」2バージョン、「公開中」2バージョンの合計6本収録。

一部は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」のDVDに収録されていたものと同樣。

他の特典としてAR台本(DEATH&REBIRTH共に)と日本語字幕の表示が可能。

音声は2チャンネル音声のみ。

DISC7

1997年7月19日公開、劇場版2作目で通称夏エヴァ「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」を収録。

この作品で一旦はエヴァが完結します。

HDマスターで春エヴァよりも映像は綺麗ですが、一応は24年前の作品なのでそれなりにノイズ発生なども見受けられます。

夏エヴァについてはどの収録バージョンも再編集は行われておらず、公開されたそのままが収録されています。

音声は2チャンネルと5.1チャンネルの選択が可能で、日本語字幕も表示可能。

特典映像

「試写会上映版」として本編終了後に庵野監督の実写映画「ラブ&ポップ」の特報が再生されるモードを搭載。

これは劇場公開前に試写会で上映されたスタイルを再現したもの。

予告編は声優本人が登場する実写をベースにした劇場版予告、波の音とタイトルのみの全く本編映像が映らないTV版の予告の2本を収録。

いずれも「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」のDVDに収録されていたものと同樣。

音声特典

TV版制作時の声優オーディションの音声を収録。

レイ、アスカ、ミサト、リツコ、ゲンドウそれぞれの声優がイメージに沿ったセリフ(一部は実際にアニメで使用されているセリフもあり)を読み上げている。

音声の録音状況はかなり良く、ファンであれば絶対に手に入れたい音源。

ただし、まだキャラを作る前のイメージなのでアニメとニュアンスの違う部分も多い。

ただし、それはそれでレアであるし、いかに声優さんたちが庵野監督の意向を反映して現在のエヴァの世界を作り上げたかの布石を確認することができる。

ミサトを担当する三石さんに関してはもう完全によく知るミサトのまんまで、鳥肌が立つほどでした。

なお映像は無くそれぞれの役名+声優名のテロップのみの映像です。

もう一つの特典が昭島市立拝島保育園の園児がオルガンをバックに歌う「むすんでひらいて」をフルバージョンで収録。

これは第26話の人類補完計画発動中、子どものシンジが砂遊びをしているシーンでバックにかかるBGMで、映像はなくテロップのみでの収録。

最後は2003年のDVD-BOX制作時にBGMを5.1チャンネル・サラウンド化した楽曲を22曲約60分収録で、内5曲が夏エヴァの収録曲です。

映像は無く曲名テロップのみでの再生となります。

DISC8

1998年3月7日にリヴァイヴァル公開された「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」の収録で、いわゆる「REVIVAL OF EVANGELION」と言われる作品のHDリマスター。

このバージョンがもっとも流通していてBOXが発売されるまでは比較的入手しやすかった作品群です。

「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2」は「シト新生」よりもノイズがクリアになった印象で、当時角川のみだった企業ロゴが新しくなった上で夏エヴァと同じロゴの応襲、そしてテロップ「これが、EVANGERION:DEATH」本来の姿です。」(EVANGELIONの綴りを間違っており、未だに修正されないまま)。

初代よりも追加映像やアフレコ音声のタイミング変更などがある一方、アスカのお風呂場のシーンが3分近くゴソッと削られたりという部分もあります。

劇場公開時と同じくDEATH編の後に4分24秒の休憩映像も収録し、まんま劇場公開状態で楽しめるようになっています。

DVDなどの2枚組収録だとDEATH編→休憩→夏エヴァという一連の流れが途切れてしまうので、これこそBlu-ray Discという大容量メディアの良い部分が活かされています。

後半の夏エヴァパートはもしかしたらDISC7よりもブラッシュアップされているのかもしれませんが、画質の違いは感じ取れませんでした。

音声はそれぞれ2チャンネルと5.1チャンネルの選択可能で、日本語字幕もあり。

特典映像

特典映像はAR台本のみとなります。

DISC9

ここからが特典ディスクとなります。

第25話、第26話

ビデオフォーマット版として第弐拾五話、最終話それぞれの同時収録としてビデオとLDに収録されたものを一部をのぞいてHDマスターを使用して再現したもの。

「再現」なので当時発売されたビデオフォーマット版のSD画質の物しか残っておらず、恐らく映像部分は劇場版、劇場版に無いテロップなどはSD画質の素材という感じで混在させて作り上げられた物と思われる。

その証拠に2015年発売のBOXでは、アイキャッチが「THE END OF EVANGELION」となっているミスが発覚し交換の処置が取られている。

劇場版との違いとして第25話は企業ロゴの後に「新世紀エヴァンゲリオン」のロゴ表示、アイキャッチが「NEON GENESIS EVANGELION」及び「25’」に変更、エンディングのスタッフロールが劇場版と違っている、予告編があることなど。

第26話は十字架上のタイトルが「THE END OF EVANGELION」から「NEON GENESIS EVANGELION」に変わっていること、アイキャッチが「NEON GENESIS EVANGELION」に変更、最後の文字が「完」に、エンディングのスタッフロールが追加されていることなど。

音声は2チャンネルのみで日本語字幕も表示可能。

ノンテロップ映像

オープニングとエンディング(第壱話のもの)のテロップが無い映像。

イメージボード集

1996年2月3日に発売された1本目のビデオ&LDに特典として収録されていたイメージボード集を音楽に合わせて見ることができる。

企画時に描かれたイメージなのでアニメとは違うデザインや色使いのエヴァや、実際には使われていない武器も見ることができる貴重なもの。

Genesis 0:0特別先行編

「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0 IN THE BEGINNING 特別先行編」として1995年12月21日に発売されたもので、これが初めて世の中に出たエヴァの記念すべき映像作品。

収録時間は約30分で、エヴァやパイロット、使徒などの紹介や、スタッフによるデザインや設定などの裏話、鶴巻さんや庵野監督のインタビューなどもあるけっこう密度の濃い映像。

当時これをリアルタイムで見た人は後半あんなことになって、それが20年以上も引っ張るアニメになんてなることは全く予想できなかったことでしょう。

Genesis 0:0’ THE LIGHT FROM THE DARKNESS

「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0’ THE LIGHT FROM THE DARKNESS」として「シト新生」の前売り特典、テレカ、ポスター、前売り券付きCDに続く第4弾として1997年1月25日よりこのビデオが付いたチケットが販売された。

内容は約26分の映像で、TV版のダイジェスト映像と声優インタビュー、高橋洋子の「魂のルフラン」MV、エヴァ関連作品のCMなどを収録。

このビデオのリリース時点ではまだ販売されていない第弐拾話以降の映像も使われているので当時のファンには嬉しい内容だったかも。

確か記憶に違いがなければシト新生が日本で初めての特典付き前売り券だったはずで、テレカ付き前売り券を購入するために徹夜組みが現れるなどちょっとしたニュースになりました。

その後、商機を見出した映画会社が特典付き前売り券をスタンダードにするのは言うまでもなく、もしエヴァがこういった販売をしていなければ前売り特典って存在しなかったかもしれません。

劇場版#26(特別ラッシュ編集版)

「劇場版#26実写パート(特別ラッシュ編集版)」で、声優の宮村優子、三石琴乃、林原めぐみなどが出演する約11分の実写ドラマ。

これはもともと夏エヴァの第26話で挿入される予定で作られていたにも関わらず途中で予定が変わりプランが変更。

撮影途中でのプラン変更だったので完全な形での素材は揃っていないものの、庵野監督が当時描いていたイメージを極力再現して編集。

本来はシンジのセリフも入る予定だったが実際に録音は行われなかったので、変わりに庵野監督による吹き替えが行われています。

内容としてはOLの日常や他愛のない会話、男女関係の愚痴などで、今となってはあの映画館のシーンの変わりにこの映像が入っていた事を想像するのはなかなか苦しいものがあります。

結局映像は使われなかったものの一部は第26話の実写パートなどにも使用され、夏エヴァの劇場版CMはこの映像を素材に使ったものとなっています。

劇場版#26(撮影現場場景)

「劇場版#26実写パート 撮影現場場景」で、「劇場版#26実写パート(特別ラッシュ編集版)」のいわゆるメイキング映像。

夏エヴァのビデオを販売する際、特典映像としてメイキングを入れる目的として撮影していたのではないでしょうか。

結局は撮影された実写パートは途中で計画変更となりメイキングも世に出ることもなく来ましたが、こういった映像が残っていることはありがたいかも。

後半「シト新生」の前夜祭映像も含まれており、徹夜組みや大混雑の劇場前などのシーンが収録されており当時の過熱ぶりも垣間見ることができます。

このときも客席に向けてカメラを回しているので、実際に実写パートで使われたのはこの時のものだと思われます。

またコスプレした3体のキャラが人混みに立っているシーンの映像も正面から写っています。

「まごころを、君に」 別台詞版

「第26話「まごころを、君に」 ラストシーン 別台詞版」で、そもそもは別の「あんたになんか殺されるのはまっぴらよ」というのが最後のアスカのセリフとして当てられていました。

ただ、庵野監督としてはしっくり来なくて、もし自分の部屋に知らない男の人が侵入して自慰行為をしていたらどう思うというニュアンスの質問をアスカの声優である宮村優子に訪ねたところ、「気持ち悪い、ですかね」と答えたことで監督が納得し採用されたようです。

ずっとアスカを演じてきた宮村優子ですからある意味一心同体。

この言葉には間違は無いかもしれませんし、じゃぁ何が一番あのシーンに適切か、どんな言葉なら気持ちよく終劇できたのかと問われたらやっぱり「気持ち悪い」が最適なのかも。

ここでアフレコされた音声は劇場版に録音されていたものではなく、ブルーレイBOX用に差し替えで新録音されたもの。

一応、2チャンネルと5.1チャンネルの選択もできるようになっています。

TVスポット集

TVで放映されたCMや予告編集で以下の映像が収録されている。

放送開始前の予告「『新世紀エヴァンゲリオン』 番組宣伝スポット」の15秒と30秒バージョン。

「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌シングルCD

「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:0 IN THE BEGINNING 特別先行編」

「新世紀エヴァンゲリオン Genesis 0:1」「Genesis 0:4」「Genesis 0:7」

セガサターン用ゲーム「新世紀エヴァンゲリオン」

「月刊ニュータイプ1996年3月号」

「少年エース1996年4月号」

「『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』 TVスポット オフライン編集版A」「オフライン編集版B」

制作されたものの放送されなかった幻のCM。

映像が高速に切り替わる映像で叫び声が入るなど恐怖感を煽る映像なのでお蔵入りになったのかも。

この年の12月にポケモンアニメによる光過敏性発作の事件が発生しているので、もしこれが流れていてこれに近しい症状が多発していたとしたら映画は余儀なく延期か映像表現の変更が行われていたかもで、NGになったのは良かったかも。

ミュージッククリップ集

01 TEST−TYPE

2003年発売の「NEON GENESIS EVANGELION 01 TEST−TYPE」の収録特典で、「フルサイズOP「残酷な天使のテーゼ」」「フルサイズED「FLY ME TO THE MOON」」を5.1チャンネルで収録。

実際のところオープニングというよりは曲に合わせて作り変えた新作映像で、TV版と劇場版の映像をスタイリッシュに繋ぎ合わせたもの。

エンディングもレイが回転するモチーフはそのままに、実写や新作カットを用いて制作されています。

MUSIC DVD

2006年に発売されたDVD「NEON GENESIS EVANGELION [MUSIC DVD]から4曲を収録。

それぞれ2チャンネル、5.1チャンネル、SE付き5.1チャンネルの音声に切り替えて楽しむ事ができます。

「魂のルフラン」は夏エヴァ第25話の映像を中心にアスカの活躍や葛藤を表現したMV。

「THANATOS – IF I CAN’T BE YOURS」はミサトの過去や活躍を表現。

「ARMAGEDDON」は使徒と戦うエヴァンゲリオンの活躍を表現。

「天国の記憶」はレイや人類補完計画の映像を中心に構成。

「Blu-ray BOX」 PR映像

今回のBOXの元となった「新世紀エヴァンゲリオン Blu-ray BOX」の PR映像で、HDリマスターされたTV版のオープニングに引き続き商品詳細のテロップが表示されるもの。

恐らく32ミリフィルムからリマスターした繊細な映像を見せることを目的としたPR動画と思われる。

DISC10

最後10枚目のディスクは「AR/DB用定尺ラッシュビデオ」。

ラッシュビデオは作業過程での確認用などに使われる途中段階の映像で、特典用として実際は無音のラッシュビデオに音楽と効果音が施されている。

収録されているのは以下の12本。

  • 第九話「瞬間、心、重ねて」、第拾伍話「噓と沈黙」
  • 第拾八話「命の選択を」
  • 第拾九話「男の戰い」
  • 第弐拾話「心のかたち 人のかたち」
  • 第弐拾壱話「ネルフ、誕生」(初収録)
  • 第弐拾弐話「せめて、人間らしく」(初収録)
  • 第弐拾参話「涙」
  • 第弐拾四話「最後のシ者」
  • 第弐拾伍話「終わる世界」(初収録)
  • 最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」(初収録)
  • EVANGELION:REBIRTH(初収録)
  • 第25話「Air」約17分間

初収録と記載されているのは2015年のBOX用に初めて収録されたもの。

いくつかは予告編でも見るような映像もあるので、こういったラッシュ映像も素材として用いられている可能性があります。

いずれにしてもアニメの世界に知識が乏しい人間には目に触れることのない映像なので、こうやってほぼ放送1回分の量でそれぞれ映像資料化してくれるのはありがたいです。

以上、全内容

どうでしょうかなりの映像や資料が含まれていることがわかりましたでしょうか。

とにかくこれだけあれば過去の購入漏れもほぼ心配無さそうですし、この先の廃盤や入手困難なども怖く無さそうです。

それであって現在のところAmazonで少しお安くなって15000円ちょっとです。

これもいつまで販売されるのかわからないですし、もしかしたら最新作の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の終わり方によっては過去作が急に売れだして欠品になるかもしれませんので、どうぞ入手はお早めに。

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