日本全国の古墳の数ってご存知ですか?
私もそんなに多くないかなと思っていたのですが、その数16万程度あるそうでその内10%ほどは兵庫県に集中しています。
島根県の出雲は太古のロマンを感じさせる「出雲大社」があったり、弥生時代の青銅器がザクザク出土した「神庭荒神谷遺跡」などもあり特に弥生とか古墳とか土器が好きな歴史好きにはおすすめのスポットです。
今回は同じく出雲にある墳丘墓群「西谷墳墓群」へと行ってきました。
ここは博物館も無料でとっても素敵な所ですよ。
この記事のもくじ
出雲弥生の森博物館
出雲大社から車で走ること約20分、13キロ程度離れた比較的近い場所にあるのが「出雲弥生の森博物館」。
駐車場は真横と向かいにあって駐車料金は無料だし、館内はもちろんのこと駐車場にもトイレが備わっている利用者に優しい施設です。
比較的大きくて立派な建物の博物館です。
入口では埴輪がお出迎え。
墳丘墓を豪華なジオラマで再現
ここの建物は2階建てでメインの展示館と企画展示室は2階部分にあります。
ここで一番目を引くのが中央にドンと展示された日本最大級(日本最大は倉敷の楯築遺跡)の四隅突出型墳丘墓「西谷3号墓」のジオラマ。
弥生時代の王墓を再現したもので、次世代の王が見守る中で埋葬される男王や棺に収められる女王、土運びをする人や宴席の風景など、古代弥生人の風景や服装が細かく再現されています。
無料でこのレベルのジオラマが展示されているのは圧巻です。
少なくとも500円ぐらい取っても良さそう。
なので私もそうなのですが価値を感じた方は1階のおみやげコーナーで図録やグッズの購入をしましょう。
埋葬シーンの再現も
他に男王の埋葬がどのように行われていたかを再現している復元模型のコーナーもあります。
他にも博物館から20キロほど先の猪目海岸付近にある「猪目洞窟遺跡」で発見された6世紀ごろの男性の本物の人骨も展示。
この洞窟は「黄泉の穴」なんて呼ばれていて、この洞窟に行く夢を見ると必ず死ぬと言い伝えられてる「死者の世界の入口」とされていて、ここが有力候補とされている場所です。
まぁ、怖い話ではありますが、そういう意味でも太古のロマンを感じる部分でもあります。
土器の展示
墳丘墓のジオラマも素晴らしいのですが、同じく3号墓から300以上出土した土器や隣接する2号墓から出土したガラスの腕輪など貴重な出土品の展示も見逃せません。
貴重なガラスの勾玉
特に展示されている3号墓から出土したガラスの勾玉は他では見られない特殊な形状をしておりとても貴重な展示となっています。
1階ロビー
1階ロビー部分は「図書情報コーナー」や現在新型コロナウィルスの影響で種類は限られますが「たいけんコーナー」、ガラス張りで作業の様子が見られる「研究室」などがあります。
たいけんコーナー
「たいけんコーナー」は遊びも交えた子ども向けコーナーで、なかなか見たことのない四隅突出型墳丘墓形の遊びコーナーやバラバラになった土器を組み立てる立体土器パズルなどがあります。
当時の衣装も
また当時の弥生人の服装と装飾品を身に着けて記念写真が撮れるコーナーもあるので思い切ってやってみましょう。
あと「秘密結社鷹の爪」のアニメや「しまねの吉田くん」で有名な、島根県出身のアニメクリエーター「FROGMAN」のサイン色紙なんかも飾られているので好きな方は要チェックです。
FROGMANは四隅突出型墳丘墓のキャラクターであるダニエルや前方後円墳のコフィーちゃんが奇想天外な活躍をするギャグアニメ「古墳ギャルのコフィー」などの作品を制作されており、そういった経緯もあったのかこの博物館の新キャラクター「すみよちゃん」もデザインされています。
四隅突出型墳丘墓へ
さぁ、博物館で知識を身につけたら道路を渡って向かいにある「西谷墳墓群史跡公園」へ行ってみましょう。
ちょっとした丘を歩くので荒天時はなかなか難しいかもしれませんが、ここを見ておかないと来た意味がありません。
ちなみに見逃しがちになるのですが、博物館の隣にある駐車場は山の斜面に横穴を掘って造られた「横穴墓群第3支群」があります。
他の古墳に比べるとインパクトの少ない見た目ですが、古墳時代の終わり頃に造られた貴重な遺跡です。
歩いて墳丘墓へ
少し丘を歩くと最初に現れるのが「4号墓」。
普通に見ると芝生の丘みたいな感じの所ですが立派な四隅突出型墳丘墓です。
この4号墓が遺跡発見の地で、1953年に中学生が土器片をここで拾ったことがきっかけで発掘調査が開始されました。
ここを右に進むと最大級の墳丘墓「3号墓」が現れます。
この墳丘墓はすそ周りの踏石が復元されていて上の部分に登ることも可能。
お墓の上とか登って罰当たりじゃないかと考えつつも太古の昔にロマンを感じながら登らせてもらいました。
展示室も兼ねた「4号墓」
さらに奥に進むと先ほど博物館でジオラマが展示されていた「4号墓」があります。
ここは当時の姿が復元されている墳丘墓で中は展示室にもなっています。
展示室内では男王の埋葬姿がちょっとした特殊効果で再現されていて、何も知らずに見るとビビるかもしれません。
ここも上に登ることができて出雲の街を眺める事ができます。
古代弥生時代、出雲の王や村の人達もこの景色を眺めたのかと思うとロマンを感じます。
ここからは同時に園内最小の墳丘墓「1号墓」も見られます。
ここの西谷の丘以外にも出雲には墳丘墓などの遺跡が30近く現存しており、古代の歴史好きなら色々巡ってみると楽しそうです。
私も今回博物館でパンフレットをもらうまでこんなに古墳があると思っていなかったので、次は古墳めぐりを楽しむために再び出雲の地を訪れる予定です。
施設は有料の博物館と変わらないくらい綺麗で展示品も充実、学んだ知識をすぐに活かして墳丘墓の見学ができるなど無料がもったいなすぎる施設なので、出雲大社へ行かれる方はぜひ足を伸ばしてみてください。