最近、家の近所に業務用スーパーが数件あることが判明し頻繁に利用することが多くなりました。業務用スーパーって便利で、焼くだけ、揚げるだけでOKな美味しい食材が宝の山のようにたくさん販売していて、お金と炊事時間を節約したい人たちにはとっても心強いスーパーです。私も便利なので揚げ物をたくさん購入するようになったのですが、気になったのが「食用油」の再利用回数。この記事では再利用できるかについてお伝えしていきます。
この記事のもくじ
異常がないうちは使いまわしも可能
「食用油」の再利用について調べると、「3回くらいで廃棄」を推奨する記事や、「継ぎ足しで基本交換しなくてもOK」など意見は様々。
ただいずれの記事も最終的には異常を感じたら交換で締められており、逆に言い換えると異常がない限りは使い回せるということです。
食用油の限界って?
では油の異常、つまり「限界」とはどういう感じでしょう。次のような異常が1つでも出た場合は油の限界になります。
異臭
まずは「異臭」。
本来は少し使った位の油は前回の揚げ物のニオイが移っていて、ちょっと美味しそうに感じたりするものですが、そういうのを通り越して胸焼けを起こしそうな異臭になっているなら限界です。
黒ずみ
見た目でわかるのが「黒ずみ」。
本来の油は金色のような綺麗な色ですが、使い古した油はだんだんと黒ずんできます。見た目でかなりやばい色になってるのなら諦めて廃棄しましょう。
煙
もうひとつ見た目でわかるのが「煙」。
通常の料理であれば170〜180℃で揚げ物をしますが、それ以上の200℃以上になるとだんだんと目に見えた煙が立ち始めます。もし170℃くらいにも関わらず煙が立ち始めたのなら限界なので交換しましょう。
泡
これも見た目でわかる異常の一つで、それが「泡」です。
私も経験があるのですが、普段は出ないはずの泡が油の表面にブクブク出てきます。ここまで使い切ったら本当に限界なので、もう1品とか無理せずに廃棄したほうが美味しい揚げ物ができますよ。
粘り
最初はサラッとしている油も、使い古すとドロっとした「粘り」が出てきます。
特に温度が下がると顕著にわかりやすくなってくるので、低温になったらハシでかき混ぜて粘りが出ていないかを確かめてみると良いでしょう。
継ぎ足すとOK?
老舗の「伝統のタレ」と言われるものに100年間継ぎ足ししたタレが使われていたりしますが、それのせいでお腹を壊したり食中毒になることはありません。継ぎ足したタレが傷まないのは1ヶ月もすれば古いタレは無くなってしまい新しい成分に入れ替わっていくからで、残念ながら100年前の成分が残っていることはありません。
それと同じ用に油の使用頻度が高ければ継ぎ足しによって長持ちさせることも可能でしょう。実際私も継ぎ足しで使っており、1.5リットル近く入る鍋に継ぎ足して1ヶ月もしないうちに1リットルのパックが空くので、ある程度入れ替えができているということでしょう。
ネットで調べると中華料理店などで継ぎ足しで油を使っている店舗もあるようですし、家庭でも何年も継ぎ足しで使っているという情報もありました。揚げ物頻度の高い家庭では頻繁な継ぎ足しで上手にお金と時間の節約ができているようですよ。
油のろ過は必須
揚げ物をすると思った以上に揚げカスが混入します。アミですくえるほど大きなカスであれば良いのですが、目に見えないレベルだとろ過する必要がありますし、ろ過をせずに油を使いまわしていくことはほぼ無理に近いのではと考えます。
どうやってろ過する?
油をろ過する方法はいくつかあります。
オイルポット
「オイルポット」は使った油を保存しておける蓋付きのポットで、ほとんどの場合油を超すためのアミが付いた中蓋が付属しています。このアミである程度大きなカスは取り除く事ができますが、細かなカスは通り抜けてしまいます。
容量が小さすぎると不便なので1.2リットル以上の容量が欲しいところです。
フィルター付きオイルポット
先に紹介したオイルポットに「活性炭フィルター」が付属したタイプで、もちろん網付きの中蓋もあるので、大きなカスは中蓋で除去し、小さなカスは活性炭フィルターで吸着するという万能な器具です。
フィルターは1回交換ではなく、だいたい5〜10回使えるのも経済的。
私も使っていますが活性炭フィルターの効果は思った以上に高く、評価も高いのでオススメです。
ろ過フィルター
油専用の「ろ過フィルター」も販売されていて、私も愛用しています。
オイルポットと組み合わせて使う必要はありますが、オイルポット付属のアミでキャッチすることができない小さなカスを、レーヨンのフィルターでキャッチしけっこうこれだけでも油が綺麗になります。
キッチンペーパー
「キッチンペーパー」は万能なキッチングッズで、油こしとしても使えるんです。
もちろんキッチンペーパーの質によっても性能は変わってきますが、けっこう小さなカスまで取れるのでオイルポットが無い家庭でもボウルとザルとキッチンペーパーで油こしをすることも可能。ただし油の通りがけっこう悪く時間がかかるのが難点かも。
油こししてみよう
油のろ過、つまり「油こし」をするとどれくらい綺麗になるのかやってみます。
今回使うのは5回くらい再利用している調理済みの油。
ろ過するのはオダジマ製の活性炭フィルター付きオイルポット。
構造はけっこう複雑でこんな感じで、油を注ぐとアミで大きなカスをキャッチ、その後に活性炭フィルターを通過し浄化された油がポットにたまるという構造。
部品点数も並べてみるといっぱい。調理器具ってこれくらい分離するとワクワクしますよね。
フィルターを装着
ろ過する準備のためフィルターをセットします。
ただこのままだとどうしても小さなカスがフィルター内部に入り込み寿命を縮めてしまいます。そこでフィルターの上にキッチンペーパーを装着。
ろ過時間はどうしても長くなってまうのですが、メーカーでもこの方法を推奨しています。
これだけでも大丈夫なのですが、以前から使っていたろ過フィルターがまだ大量に残っているのでそれも使う事にしました。
ということで、ろ過フィルター➾アミ➾キッチンペーパー➾活性炭フィルターと、これでもかのろ過構造で油こしをしていきます。
さすがここまでフィルターが多いとなかなか時間がかかります。
ちなみに油の色はこんな感じ。
約1.5リットルほどを30分程度かけてろ過した状態がこれ。
大小さまざまなカスが取れていて、ろ過フィルターだけでも性能が高いことがわかります。
そしてろ過された油がこちらになります。
元の金色の油までとはいかないものの、不純物も無く透き通った状態にまでなりました。
これなら安心して使い回しができますね!
油そのものは高いものではないので3回程度ずつで交換も良いのですが、やっぱり買い置きしておくのも手間だし、オイルポットから使い回しで注ぐ手軽さを覚えてしまうと断然揚げ物の楽しさが変わってきます。
私も今まで面倒で躊躇しがちな天ぷらやカツもけっこう手軽にやるようになったので、ぜひ油こしを活用しつつ調理を楽しんでください。