【平面TVアンテナ】ベランダ取り付けでも高感度−ブースター内臓で強力受信

実家のテレビの特定チャンネルが受信不良を起こしほぼ映らなくなりました。色々試したところアンテナに問題がありそうで取り換えを検討しないといけない状態に。そこで試しに平面アンテナを導入すると驚くことに従来よりも倍近く感度が良くなりました。

暴風雨でアンテナが故障

先日、屋根瓦がいくつか吹き飛ぶ程の暴風雨が起こり、その際屋根の上に設置しているTV用のアンテナも損傷したようで、それ以降特定チャンネルの感度が極端に低下、そして遂に映像が映らないほどアンテナ受信レベルが下がってしまいました。

TVで通常のデジタル放送を問題なく見る場合アンテナ・レベルは44程度必要なところ27ほどしか出ていません。27くらいあれば少しでも映りそうな感じがしますが、デジタル放送の場合は残念ながらこの程度の数字ではブロックノイズの映像さえも受信してくれない様子。

アンテナの選択肢

というわけでアンテナの交換をせざるを得なくなったのですが、屋根の上に付いているアンテナの正式名称「八木式アンテナ」を取り替えるのには手間もお金もけっこうかかります。もし自分で屋根に登って取り換えができるならアンテナ本体は3,000円も出せばホームセンターで購入できるし、取り付けスタンドなどを購入しても1万円でお釣りが来る程度です。ただ屋根の上での作業は慣れていないと無理ですし、アンテナをキチッと固定しないと暴風雨の際落下するなどして事故にも繋がりかねません。なので電気屋さんで設置を頼む事になるわけですが工賃込みで35,000円という金額でした。そこで思いついたのが平面アンテナです。

平面アンテナ

従来の屋根の上に立てる無骨なデザインのアンテナと違って、プラスチック樹脂に覆われた平面型のアンテナで「デザインアンテナ」というのが一般的なようです。景観やお家のデザイン性を重視し、屋根の上に八木式アンテナを設置することに抵抗がある人などもコチラを選択されるようですが、やはりデメリットもあります。

デメリットは?

屋根の上に立てる八木式アンテナと違い様々な条件が付加されるためデメリットも幾つか存在します。

受信感度が弱い

八木式アンテナに比べ受信する面が限られている事もあり受信感度は弱めです。もし電波塔から離れた地域であれば電車や雨の影響でブロックノイズが発生したり、特定のチャンネルが映らない事も有りえます。

高所設置ができない

家の壁になどに設置することが想定されているので八木アンテナほど高所に設置することができません。なので四方が建物に囲まれていたりすると途端に受信感度が低下します。

方向を定めなければいけない

デザインアンテナは飛んでくる電波の方向に設置しなければ受信感度が極端に低下します。つまり電波塔の方向に向ける必要があるのですが、そのために電波塔の場所を把握する必要があったり、意図しない方向の壁に取り付ける必要があったり意外と融通が効きません。

こうやってデメリットもあるわけですが、逆に「立地」「方向」「電波塔からの距離」という3つの条件を満たすことができるならアンテナ設置費用を2万円近く節約できるのがデザインアンテナの魅力でもあります。そこで下調べを開始しました。

アンテナ設置条件を調べる

まずはじめに調べたのが電波塔の場所と距離です。とはいうものの普通に見たってどれが電波塔なんかわからないものです。これに関しては「A-PAB 一般社団法人 放送サービス高度化推進協会」が日本全国の電波塔の場所、そしてその電波塔からどこまで電波が届いているかを地図で確認できるサービスを提供してくれています。

【関連リンク】
「A-PAB 一般社団法人 放送サービス高度化推進協会」(別ウィンドウで開きます)

実家は3方が民家に囲まれた密集地なのですが、ベランダのある方角はちょうど目の前が公園になっていて開けた状態になっています。しかも運の良いことにその方向が大規模電波塔のある方角で直線距離は10キロも無いくらい。とりあえずこれでデザインアンテナをベランダ設置できる事が確信できました。

電車がネックに

ただし1つだけ懸念事項がありました。それが電車の往来です。公園の向こう側に電波塔を横切るようにして線路が敷かれており、電車の往来があるたびにアンテナレベルが下がることは前々から確認していました。ただでさえ電波強度の低いデザインアンテナですし、低い場所に設置する事になると八木式と比較しても大きなレベルダウンに繋がることは容易に予想できました。

ブースター内蔵型で

そこで考えたのがアンテナブースターを使った電波強度アップです。アンテナブースターというのは受信した電波を電気の力で増幅する装置で、昔からテレビの受信感度が弱い場合に用いられてきたポピュラーアイテムです。ということで色々探していたところかなり便利なアンテナを発見しました。それが「DXアンテナ」から発売されている「UH26BA」という恐らく「UAH261シリーズ」と同等の通販サイト専売モデル。

素子数が26

電波の受信感度をアップさせる素子の数が26あるモデルで、1つ下に20素子モデルも販売されています。これ価格差が少しなら「26素子を買って電波ギンギン生活!」なんて無知識に購入すると痛い目にあうようで、電波塔からの距離に応じて20素子か26素子かを選択する必要があります。なぜそんなことが必要かと言うと、地デジ放送は電波が強すぎてもテレビが映らなくなる特性があり、音楽の過大入力時に音が歪んでしまう減少と同じような事が起こってしまうようです。なので電波強度は弱すぎず強すぎずちょうど良い強さを求められます。

我が家の場合、八木式アンテナでの最高アンテナレベルが65程度だったので、デザインアンテナになると50前後まで下がると予想し長距離モデルである26素子のアンテナを選択しました。

ブースター内蔵型

一番の決め手になったのがブースター内蔵型であること。本来別購入しなければいけないブースターが本体に内蔵されており、それでいて通販価格は7,000円以下。しかもレビューを見ると評判も良く、屋根裏でも80ほどのアンテナレベルが出たという報告も。ということで迷わず注文しました。

取り付け作業

Amazonで注文し翌日には到着。梅雨の時期なので晴れたスキを狙って作業開始しました。本体は思った以上に大きくて大人の膝よりも上の74センチ。大きさはある意味受信感度にも影響してくるのでこれくらいあるのは安心感でした。2キロなので女性一人でも設置できる重さです。

金具の取り付け

まずはベランダの手すりに付属の金具を取り付けます。工具は別に用意する必要はなく、専用スパナが入っているので六角ボルトを2本締めるだけで簡単に取り付け完了しました。

アンテナ取り付け

あとは中央の太いボルトに本体を取り付けたら一応は完成です。とっても簡単。

配線

配線を済ませ、中間にアンテナブースター用の電源も接続します。

電源はACアダプタに接続する必要があるので、電源の取り方などを考えてから購入しないといざ設置してみたら電源が確保できないとかなる可能性があります。なお電源はアンテナ本体につなぐ必要はなく、アンテナから伸ばしてきたアンテナ線とテレビに伸ばすアンテナ線の間につなぐようになっています。つまり、「アンテナ→アンテナ線→電源→アンテナ線→TV」という順番なのでいずれかの場所で電源確保できれば大丈夫そうですが、通電仕様でないパーツが間に挟まっていると電源供給できなくなります。

アンテナレベルを確認

設置が完了したらテレビに表示されるアンテナレベルを確認しながらアンテナの左右方向を微調整します。これはブースターで増幅されている影響か、けっこう左右に振ってもCSアンテナほどアンテナレベルの違いは見られませんでした。もし買い間違ってアンテナレベルが出すぎてテレビが映らない場合、逆に左右に向けて電波塔からの向きをずらすことによりレベルを下げる事ができます。

想像以上のレベルに!

設置も完了し全チャンネルのレベルを確認したのがこちら。

なんとレベルが高いチャンネルで91まで出ています。しかも今まで入らなかったチャンネルまで掴む次第。ブースター恐るべしです。27しか出なくて映らなかったチャンネルも無事に80近く出るようになりました。

今回かかった費用はアンテナケーブルを入れても8千円ちょっと。業者さんを呼んで取り付けてもらうよりも2万円近くも浮いたわけです。しかも何かのトラブルの際も屋根に登ってチェックすることもないし、故障しても取り換えは容易です。ある程度の知識はいりますが、ちゃんと調べると必要な事はネットでもわかりますし、思った以上に簡単に問題解決できました。もしいまテレビの映りに不満がある人は交換してみるとメチャクチャ快適になりますよ!