この記事のもくじ
ついにこういう時代がやってきました
先日カーナビなど先進的な車載機器を発売するカロッツェリアが車載専用Wi-Fiルーター(DCT-WR100D)を12月に発売すると発表しました。
かつてファーウェイも同様の製品を発売
実は5年ほど前にファーウェイがPocket WiFiの延長としてCar Wi-Fi 404HWという車載専用Wi-Fi機器を発売したことがありました。
Y!mobileのSIM専用品で一部ユーザーからは支持はあったようですが、当時は今ほど車でWi-Fiという利用価値を見いだせるユーザーは少数派だったので、残念ながら競合製品が出てくることもなく埋もれてしまいました。
いまの時代だから需要がある
では今回の製品もファーウェイと同じように話題にならずに埋もれてしまうかと言えば大違いです。
Wi-Fi回線は生活の一部になり、今ではスマホやPCに限定されずゲーム機やキッチン家電、エアコンまでWi-Fi接続されるような時代になりました。
スマホがPC並みに高性能化した恩恵もあり、大容量のゲームアプリや高画質ストリーミングサービスも登場、またテレビに変わってYouTubeの動画視聴も当たり前に。
そうなると必要になるのがネット回線で、世界的にみるとまだまだですが、日本でもだいぶフリーWi-Fiが使える場所が増加してきています。
docomo in Car Connect
今回の製品はドコモが提供するdocomo in Car Connectの専用製品として発売されます。
このサービスは現在のところ日産のスカイラインと2020年1月以降に発売されたリーフの2車種、サイバーナビの910と911シリーズに限られ、30万円近く投資してナビを買い換えるか、特定の日産車に乗り換えるかしか選択肢がありませんでした。
それが誰でもサービスを利用できるように間口が広げられた感じになります。
通信制限無しで使い放題
このサービスの特筆すべきところは通信が使い放題というところ。
最大同時に5台までWi-Fi対応機器が接続可能です。
本当に使い放題はずっと続く?
ここ1年で各社使い放題のPocket Wi-Fiが出ては制限がかかるようにプラン改正が行われました。
原因は特定利用者によるTBレベルによる使用が見られ、そのせいで会社が確保しているデータ容量の枯渇が起き、低速化や切断などが頻繁に発生するようになったため。
今回提供しているのはそもそもそういった会社に通信容量を卸しているドコモによるサービスなので、使い放題がなくなるということは考えにくです。
最悪の場合は通信量の値上げくらいでしょうか。
実は他にもいくつか制限をつけることにより、無駄に使うユーザーが発生しにくい工夫がされています。
完全に車専用として特化
まずこの機器はUSB接続が非対応。
シガーソケットに接続する専用ケーブルのみ接続可能です。
移動感知で家では使えない
本機をシガーソケットから電源共有状態にし車のエンジンをONにすると、車を走らせなくてもそのまま30分間は使用が可能でその後はWi-FiがOFFになります。
この時サイドエンジンOFF・ONを行ってもWi-FiはOFFのままとなります。
なのでたとえ家で電源確保ができたとしても車外に持ち出しての使用はできない仕様になっています。
走行中は常にON
車が走っている間はWi-Fiは常にONになります。
通信はドコモのLTE網を利用しているので、山間部でも問題なく使えるでしょう。
車がエンジンONのまま停車するとその後60分後にOFFとなります。
車が動き出すとWi-Fiは再びONになります。
動作 | 使用時間 |
エンジンON | 30分 |
走行中 | 無制限 |
停止 | 60分 |
車に特化した仕様
車載モデルということで車内での耐久性能も考えられています。
耐熱動作は-10℃~+60℃にも対応し、真冬や真夏の過酷な車内環境に放置しても大丈夫なように設計。
1年間の無償修理保証も付帯しています。
取り付けも簡単
大きさは横91.5ミリ、奥行き44.5ミリでクレジットカード程度の大きさ。
厚みは16ミリほどしかないので取り付けは邪魔になりません。
移動検知させるためには水平または垂直に固定する必要があります。
おそらく中に加速度センサーが装備され車の移動を検知しているものと思われます。
シガーソケットにケーブルを接続したら邪魔にならない場所に固定で取り付けは完了。
気になるコストは?
まず本体代金が税込み27500円です。
少しお高く思えますが、PocketWi-Fiなどの価格も3万円近くしますのでむしろ少し安いぐらいでしょう。
docomo in Car Connectの通信料
docomo in Car Connectの通信料金は3つのプランが用意されており、スマホで登録すれば即利用できるようになっています。
1日(24時間) | 550円(税込) |
30日 | 1650円(税込) |
365日 | 13200円(税込) |
さすがに1日プランを多用する人は少数派だと思われますが、あまり車で旅行しない人は30日プランを必要な時ごとに契約するのもアリかもしれません。
その他に必要な金額は?
事務契約手数料や解約違約金、2年縛りなどは存在しないので自由に使ったり使わなかったりを選択できます。
なお機器購入時にUIM(通信用SIM)が2年分付属しており、以降2年毎に5500円(税込)でUIMカードを購入する必要があります。
実際コストはいくらかかるの?
通信機器なので年間コストは気になるところです。
365日プランで実際必要な金額を計算してみました。
初年度 |
機器代金27500円+365日プラン13200円 |
合計40700円(月換算3392円) |
2年目 |
365日プラン13200円 |
合計13200円(月換算1100円) |
3年目 |
USIM5500円+365日プラン13200円 |
合計18700円(月換算1559円) |
4年目 |
365日プラン13200円 |
合計13200円(月換算1100円) |
以降3年目〜4年目の支払いパターンを繰り返し。
もし四年間利用し続けたとしたら総額85800円になります。
使い放題でこの価格なので、現状モバイルルーターの月額費用が安くても3500円位で4年間保有すると16800円程度。
車での利用に縛られるものの、半額程度のコストで使い放題の環境が手に入ると考えて良いでしょう。
発売は12月すでに各所で話題に予約は必須
発売は12月で各方面ではかなり話題になっています。
アマゾンでは12月31日発売で予約が始まっていますが、すでにカテゴリー1位になっているほど人気のようです。
発売当初は品薄になることも考えられるので、もし確実に手に入れたいのなら必ず予約をしておきましょう。
最後のまとめ
私は車で移動が主なために、車内にWiMAXのモバイルルーターを持ち込み車内Wi-Fiを構築しているのですが、山間部は繋がりが悪く動画の視聴なども長時間不可となってしまうことが多くあります。
子どもたちもWi-Fiを利用するタブレットを所有していて移動中も楽しんでいるので、今回の製品はかなり気になっています。
年間のコストを考えると今のWiMAXを解約したほうが得かもしれないので、機器割賦金の残額なども考えて検討してみたいと思います。