シン・エヴァンゲリオン劇場版が上映延期となりましたが、最新4作目がIMAX版も用意されていることもあり、Qからシン・エヴァにシームレスに繋ぐためにQのIMAX版が1月22日までの予定で上映中です。
ということで大好きなエヴァを大きな画面で鮮明にサラウンドで観たいという欲求にかられ観に行って来ました。
ちなみにIMAXなので料金は通常より少しお高めです。
この記事のもくじ
エヴァ初のIMAX上映
音や映像までこだわって制作されてきたエヴァですが、今までIMAX版での上映が行われたことはなく今回のQが初めての上映、そして最新作の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」がハナからIMAXに対応した作品となります。
そもそもIMAXって?
IMAXは数十年前までは特別な存在で、それこそ博覧会のパビリオンだったり各地にあるIMAX専用施設で観ることくらいしかできず、上映作品も自然をテーマにしたドキュメントだったりが多かった記憶があります。
テレビもブラウン管でアナログ放送、ビデオテープからやっとDVDに移行してきたような時代なので作品が多少つまらなくても巨大な画面で観るとか、鮮明な画像で観られるという非日常感覚で足を運ぶことはできたのですが、今となっては普通の家庭でもちょっとお金を積めば鮮明画像4Kや8K対応や100インチのテレビも一般家庭で購入可能になった時代、IMAXシアターに足を運ぶ人も少なくなり遂には日本でも鹿児島1館のみの状態になっています。
実は日本が世界初
IMAXは海外から入ってきた規格ではあるのですが、実は世界初のIMAX方式での上映は1970年に大阪吹田で開催された万博が初。
IMAXの3D上映も1985年に茨城県つくば市で開催されたつくば科学万博が世界初で、いずれの万博も富士通のパビリオンで上映されています。
シネコンにIMAXが登場
日本で再びIMAXが再燃したのが2009年に109シネマズが既存のシアターを改修しIMAX対応にしたところからスタート。
ここ最近でも老舗のシアターが廃業するということがありましたが、日本人の映画館離れが起こっており、3D上映などと同じく特別感を持たせ、通常よりもプレミア料金を徴収する仕組みとして導入されたのかもしれません。
現代では日本でも手軽に利用できるシネコンにIMAX対応シアターが併設されるのは当たり前になり、そもそも封切り映画がIMAX対応している事も増えたので、通常上映よりも少しお金を足せば鮮明で画面も大きく音響もきれいな映画館で観れるという感じでIMAXも一般化してきているのではないでしょうか。
IMAX用にリビルドされたエヴァQ
もしエヴァという作品が庵野監督のような人が創っていなくて、一般的な娯楽アニメだったら通常上映版をIMAXサイズにアップコンバートしてサウンドをリマスターした上映になっていたかもしれません。
ただそこはやっぱりエヴァ。
Blu-rayのパッケージ化でさえ色々いじっちゃう集団なので今回のIMAX版も当時の公開版3.0でも、BD・DVD版の3.33とも違う新たなナンバリング3.333バージョンとして公開されています。
制作開始は2018年
4作目のシン・エヴァが延期になったので、この半年くらいで企画が決まって急で作って公開したのかなと思っていたらなんと開始は2018年からスタート。
制作会社であるスタジオカラーの設備環境もIMAX用に整えて庵野監督完全監修で行われ、撮影も既存パッケージの使い回しではなく2Kでの全編再撮影が実施されています。
より高精細・高音質に
そもそもQの制作時段階で各種素材は2Kで作っていたそうで、劇場公開する際には低解像度に撮影したものを再調整して公開されています。
例えるなら大きな画像を縮小コピーして額に飾るようなもので、悪く言うと当初より画質やディテールは劣化してしまっている状態。
よくエヴァの資料でディテール細かく描き込まれた背景画などが出てきますが、庵野監督はとにかくそこにこだわった人で、当時仕事が無かった庵野監督がジブリに出向いて火垂るの墓の作画を担当。
船の資料など大量に調べ、1ヶ月近くを要して手すりの数まで忠実にディテールを再現して軍艦を描きあげたのに、公開時は真っ黒に塗りつぶされて絶句したという逸話は有名ですが、IMAX版では先に挙げた2Kの素材を活用しIMAX社独自技術のアルゴリズムでほとんど画質劣化なく4Kにアップコンバートされているので、監督の本来の意図により近くなったバージョンで楽しめるようになっています。
音の臨場感も倍増
Qは中盤から後半にかけてフォースインパクトの発動シーンがあり、多くの粒子などが発生するシーンが目白押しです。
画質に関しては左右に並べて比較をしていないので違いって分かりづらいものの、やはりそういったシーンでは吸い込まれるような感覚を何度も体験できます。
その手助けとなっているのがサラウンド。
映画の技術マンでも専門家でもない私でも音の臨場感だけはその違いをハッキリと感じ取れました。
IMAXの場合コレと言った企画が厳格に定められていて、スピーカーもそれぞれ独立して高度なチューニングが行われています。
定位感もハッキリしていてそもそも座席位置に関わらずデッドスポットの無い音響設備なので、例えばヴンダーの操縦室なんかだとミサトやリツコの会話は正面、その他の隊員は各座席位置、そしてザワついているガヤは後ろの方からなど見えているシーンのように正面からの音ではなくヴンダー内部として体感できるようになっています。
また戦闘シーンでは正面から後ろに流れていく物体に合わせて音像も移動し、建前無く臨場感あるシーンを体感できるのはIMAXならではでした。
今回しか見れない予告も
そもそもIMAXバージョンはタイムシートはそのままですが、細部は色々といじっているとのことで、2012年の作品なのでアニメ界の流行なども変わっており、それに合わせて細かな部分を変更したり、CGIの追加もあれば素材が当時のまま使えなかったので新たに出力し直したりと足し算された部分もあれば、レイのプラグスーツの足元模様が無くなったりと引き算されている箇所もあります。
大きな変化としては次回予告が完全に別物になっていました。
新作の映像かどうかは真意が不明ですが、そもそも2体のエヴァが半々に合体してクルクル回転している予告とは全く違うもので、最後には2021年1月23日公開というテロップも表示されていました。
この予告は今後特典等で入るかはわかりませんが、現在予告まで含めたワンパッケージとしてこのバージョンが観られるのはIMAX上映のみとなりますね。
東京と大阪は日本最高のエヴァ体験も
公開日未定となってしまった最終章「シン・エヴァンゲリオン劇場版」はIMAX版同時公開となりますが、もし日本最高の環境で楽しみたいのであれば東京の「グランドシネマサンシャイン」か大阪「109シネマズ大阪エキスポシティ」で鑑賞可能。
スクリーンサイズはビル6階建てに相当する18m×26mで日本最大級、4Kツインレーザープロジェクターでさらにディテールの増した映像を再現し、そもそも臨場感のあるサラウンド設備は天井までスピーカーを設置した12チャンネルサラウンドシステムを搭載するなど、まさに監督の意図するエヴァに一番近い鑑賞ができることでしょう。
エグゼクティブシートも
IMAXシアターではラグジュアリーに映画を楽しめるよう、バランスの良い中央列に特別シートが設けられているシアターがあります。
今回はエグゼクティブシートで鑑賞しましたが、手荷物入れが付いていたりミニテーブルの設置、通常座席よりも座り心地良く幅広で左右と間隔が開いた座席配置、そして何よりもリクライニングができて座席前スペースも広く取られているので足を伸ばしての鑑賞も可能。
映像やサウンド以外にもこうやってラグジュアリーにエヴァを観られるのも特権かもしれません。
そもそもIMAX鑑賞が特別料金で、それプラス座席料が付くので映画2本分くらいの価格になりますが、エヴァに対する投資ならみなさん納得できる価格でしょう。
こういう時期なので遠方から足を運ぶことは難しいでしょうし、オススメですなんて書くことはできないのですが、機会があれば2度目の鑑賞でも観てみる価値は十分にありそうです。
とにかく再々上映日程が早く決まることを心待ちにしておきましょう。