新型コロナウィルスの影響もありおうち時間が増加し、サブスク型の動画配信サイトがかなり好調のようです。現在日本では有料サイトがいくつかありますが、大手5社(Amazonプライム・ビデオ/U-NEXT/NETFLIX/hulu/TSUTAYA TV)の特徴や見放題本数などを私が実際に契約・利用して比較していきます。
この記事のもくじ
各動画配信サイトについて
まずはそれぞれの動画配信サイトについて調べていきます。
Amazonプライム・ビデオ
もともとはアメリカで開始され日本では2015年に開始された「Amazonプライム・ビデオ」は、Amazonの配送サービスである「Amazonプライム」の特典にも含まれるので契約数は多いと考えられます。料金は月500円(以降税込表記)もしくは年4,900円で、様々なプライム特典を活用しつつ映画などの映像コンテンツも楽しめ、そのうえ他社よりもかなり割安の料金設定になっています。
U-NEXT
もともとは店舗のBGM配信で有名なUSENの映像配信事業で、かつては「GyaO」という動画配信サービスでした。現在の「U-NEXT」として開始されたのは2009年で完全日本独自の配信サービスになります。現在かなりプロモーションに力を注いでおり、TVや映画館でもCMを見ることも多く、電力会社や映画館チェーン店とのコラボもあるなどかなり頑張っている印象があります。月額料金は2,189円と価格は少し高めです。
NETFLIX
全世界で2億人以上が利用する世界最大の動画配信サービスが「NETFLIX」で日本で開始されたのは2015年。日本でもDVDのオンラインレンタルサービスがありますが、そもそも世界で初めて考案し始めたのがこの会社の成り立ちです。家庭用ハードディスクレコーダーやTVのリモコンに直接アクセスできるボタンを備えたり、auの契約プランにパックとして採用されるなど、戦略的に会員数を伸ばしている会社です。月額料金は同時視聴数や再生画質によって価格が変わり、標準画質+同時1台で980円、高画質+同時2台で1,490円、4K画質+同時4台で1,980円になっています。
hulu
「hulu」は、もともとアメリカで開始されたサービスで2011年に日本上陸、2014年に日本テレビの子会社になったことで日テレ系の放送や番外編なども楽しめるようになりました。2017年にシステムの大幅改修を行いドメインも「happyon.jp」へと変更し他影響もあり様々なトラブルが頻発しユーザー離れを起こしましたが、その後は映像関連機器などへの無料トライアルのチラシを同梱するなどプロモーションを展開し会員数も伸ばしています。月額は1,026円でiPhoneアプリによるiTunesからの決済だと月額1,250円と割増になるので、直接クレジット契約している方が年間2,688円お得な計算となります。
TSUTAYA TV
「TSUTAYA TV」はその名のごとく有名なレンタルチェーン店「TSUTAYA」が行う日本独自のサービスで2008年にスタートしました。オンラインDVDレンタル「TSUTAYA DISCAS」とのセットプランもあり、とにかく映画をたくさん見たいユーザーへアプローチしています。月額料金は動画配信プランのみで1,026円。
配信動画の本数や傾向は?
それぞれの配信サイトごとに力を入れている動画に違いがあります。配信本数やどういった傾向があるか見ていきます。
Amazonプライム・ビデオ
見放題での配信数は15,000本ほどで、その時々ごとの流行や劇場公開に合わせた監督作品をライナップするなどの傾向が見られます。望んだ旧作が配信されている可能性は低めになりますが、話題に上がった作品を見られるチャンスは大いにあります。独自コンテンツの多さも評価されていて、特に芸人を用いたバラエティ動画も人気があり、腰を据えてしっかり映画を見る他にも暇つぶしにバラエティのシリーズ物を見るのにも適しています。
U-NEXT
現在見放題作品数は日本ナンバーワンで210,000本ほど。とにかく映画から芸人さんの単独ライブまで豊富な作品数が揃っており、他サイトでは消極的な過去ホラー作品も最近一気にラインナップされるなどとにかくユーザーの幅を広げています。旧作のアニメ作品が全話揃っているなどもあり、懐かしのリボンの騎士やパタリロなどのアニメまでラインナップされているのは特筆すべきところ。規約上スマホアプリでは視聴不可ですが、ブラウザからのログインでアダルト作品が視聴可能な「H-NEXT」も利用可能で、他社よりも高額な月額ではあるもののプレミア感を高めています。
NETFLIX
作品数は非公開ですが少ない印象はありません。映画は旧作〜新作までまんべんなく揃っており、それよりもハリウッド映画並みに予算をかけたオリジナル映画作品やドラマが多数用意されています。海外版デスノートや今際の国のアリスなどここでしか見られない話題作も多く、とにかく色んな話題作を見ていきたい人には満たされるサイトでしょう。ドキュメント作品も数多く、世界まる見えなどの番組が好きな人には興味のあるコンテンツがたくさんありますが、既存の映画を好む人には物足りなさを感じさせるかもしれません。
hulu
見放題作品数は70,000本ほど。映画のラインナップはあまり多彩ではないものの、ハリーポッターシリーズやバック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズが見られるなど、突然他サイトでは見放題配信していない作品がラインナップに加わるなど目を離せないサイトでもあります。日テレ系列なのでバラエティやドラマの見逃しや完全版での配信、人気番組笑ってはいけないシリーズが年末年始に一挙ラインナップされるなど独自の強みも持ち合わせています。「ライブTV」というライブ・ストリーミング・チャンネルも備え、テレビ代わりにニュースやスポーツ、子ども向け番組を24時間リアルタイム視聴でき、移動中の情報収集などにも活用できます。
TSUTAYA TV
見放題作品は18,000本ほど。作品数が少ない分ラインナップは認知度が高いものを揃えている印象で、そういった部分では実店舗のレンタルDVDと同じような仕組みになっているように感じます。レンタル店で旧作を主に借りる事が日常の人には肌に合いやすいかもしれません。ブラウザアクセスではAV動画を約8,000作品見放題で、そちら目当ての人にも向いているかもしれません。
他の有料動画はある?
各サイトでは契約や予算の理由からどうしても見放題作品が限られてしまいます。そこで近年増えつつあるのが追加料金での動画視聴です。最近ではこの仕組を使った音楽や演劇の生中継も独占配信され、それを動機とした入会斡旋などにも活用されています。
Amazonプライム・ビデオ
見放題ではどうしても偏りのある部分を有料レンタル配信としてうまく絡めている印象があります。有料配信ではさすがのAmazonといった豊富さで、他社にも無くDVDが廃盤、レンタル店にも無いような作品が配信されていることも多いです。ただし検索時に見放題と一緒に表示されるのであれもこれも有料なんて風に見えてしまう時も多いです。
U-NEXT
見放題が多い中で有料動画も積極的にラインナップしている印象で、劇場公開から間もない作品が早々に配信されるのでDVDレンタルよりも便利な場合が多いです。他サイトでは配信されにくいディズニー作品も比較的安価でレンタル可能なのもメリットで、ふつうにこのサイトだけ入っていれば事足りる人も多いかも。
NETFLIX
配信サイトでは珍しく有料動画は一切なくすべて見放題となっています。
hulu
アプリの切り替えで有料コンテンツをレンタル/購入できる「huluストア」が2020年からスタートしました。新作映画を中心にアニメやドキュメント、ライブ映像などを有料で提供しています。
TSUTAYA TV
感覚ではAmazonに近く、通常通り検索すると見放題/有料ともに結果として表示されます。U-NEXTと同じくディズニー作品もレンタル可能なので、人によっては他サイトよりも便利な人もいるはずです。
ポイント制度はある?
配信サイトによってはポイント付与を行い有料動画のレンタル/購入などが可能なサイトもあります。
Amazonプライム・ビデオ
毎月のポイント付与はありません。
U-NEXT
毎月1,200円分のポイントが付与され90日間持ち越しが可能です。ポイントを活用して動画のレンタルなども行えるので、毎月数本程度なら実質新作も見放題になるようなものです。特筆すべきはこのポイントを映画館の鑑賞券にも交換可能で、余ったポイントを捨てること無く活用ができるのは大きなメリットです。
NETFLIX
毎月のポイント付与はありません。
hulu
毎月のポイント付与はありません。
TSUTAYA TV
毎月1,100円分のポイントが付与され有料動画配信などに活用できます。実質2本の新作がレンタル配信できるポイント数で月額料金もお手頃なので新作目当てで入会しておくのもアリ。ただし付与からの持ち越しは45日間と短いので意識して活用していく必要があります。
総評
最後にそれぞれ配信サービスの総評をしていきます。
Amazonプライム・ビデオ
配信タイトルに偏りはあるものの、配送サービスや本の読み放題、音楽配信なども利用可能で年4,900円というのはかなりお得。そのぶんどうしても見たい作品が配信されていなかったり有料配信だったりの可能性が高いものの、有料でも良いのでどこにも無い廃盤作品を見たい時に出会える可能性も高いサイトです。そこまで映画好きじゃないけれど無難に作品を見て楽しみたい、お笑い芸人さんが好きなどの人は肌が合うサイトでしょう。
U-NEXT
とにかく色んな映画を見たいって欲求の人はここに決まりでしょう。月会費は他よりも高いのですが、ポイント付与や映画鑑賞券へのポイント活用ができるなどかなり柔軟性のあるサイトで、見放題ラインナップについてもかなりマニアックな作品やTVアニメまで取り入れているのは、価格のハードルを下げる他社との大きな違いになっています。
NETFLIX
ここ最近は劇場公開作品のラインナップよりも独自映画の配信イメージが強まっています。しかも作られた作品はしっかりと予算がかけられた大作も多く、思いもよらず良作に出会えるチャンスも多いです。インタラクティブ動画を配信したり、業界に先駆けたことをしていくのも得意なので、新しいもの好きな人には向いているかもしれません。有料配信が全く無いのも親切。
hulu
日テレ放送との親和性が高く、金曜ロードショーで放送されるような作品を独占配信したり、テレビ番組との連携も強いので、テレビっ子には肌の合うサイトでしょう。ライブTVは結構便利に使えるので、テレビの無い家庭でもニュースをリアルタイム配信で見られたり便利に使えるサイトです。
TSUTAYA TV
ポイント活用も含め見たい作品を探していくレンタル派の人に肌の合うサイトです。まんべんなくという人にはどうしても利用価値が低くなりますが、目的のある作品選びでは他よりもシンプルに探せるかもしれません。他サイトより影は薄めですが活用価値は十分にあります。