【映画ウィキッド】子どもと楽しめる?事前準備から座席選び、注意点まで徹底解説

ウィキッドが上映されているシアター内を座席から眺めている

小学3年生と、来年度に小学校へ上がる未就学児を連れて、「ウィキッド ふたりの魔女」の吹き替え版を鑑賞してきました。

ネット上の質問では、ウィキッドの映画に子どもを連れて行くべきかなど、悩んでいる方も多く存在しているようです。

はじめに結論をお伝えしますが、ぜひ、お子様と一緒に映画館へ足を運んでみるべきです。

今回の記事では、子どもを映画に連れて行くべき理由、事前に準備しておいた方が良いことなどを、詳しく解説します。

子連れ鑑賞をおすすめする理由

母親が男の子2人を映画館に連れて行こうとしている

ウィキッドは子どもにも理解しやすいテーマで、安心して鑑賞できる作品です。

緑色の肌を持ち産まれたエルファバが、子どもの頃に受けた容姿いじめを乗り越え、母の死や父との確執を乗り越えながら人を信頼し、強く生きていく姿が作中で描かれています。

低学年程度の子どもであれば、エルファバの緑色の肌が何を意図としているかなどを察することは難しいでしょうが、人と違う人生で生きてきた事は理解できるはずです。

緑色という非現実的な肌の色は、小さな子どもでも分かりやすい表現です。この肌の色が原因でみんなから嫌われているという事はすぐにわかるでしょう。例えば、魔法が使えるか使えないかだけの違いであれば、小さな子どもは理解をするのに時間を要するかもしれません。

陰湿な表現が出てこない

多くの映画では感情移入や作品性を高めるために、物語の後半まで、陰湿ないじめや暴力シーンなどが表現として描かれることがあります。

ウィキッドには、人を殴るような暴力シーンは登場しません。容姿いじめと思われるシーンも中盤までには終わっており、それ以降のクラスメイトは仲良くなり、むしろ能力のある彼女に対して好意的に転じています。見た目などにこだわらず信念を持ち、努力すること・人に親切をすることで、願いが叶うことを映画で描いているのです。

性的表現は?

物語の初めに不倫シーンが登場します。

このシーンは2作目の大切な伏線ともなっており、絶対に描かなければならないシーンのためカットすることはできない場面です。ただし露骨な表現ではなく、大人が見て、セリフからやっと不倫だと気づく程度のものです。映像は男女が楽しく踊っている程度のもので、特に配慮すべきシーンではありません。

ジョン・M・チュウ監督は、この映画を全年齢対象とするために性的表現を控えめに描いており、日本でのレイティングはGを獲得しています。

レイティングとは?

劇場公開される映画には、鑑賞に適した年齢層を分かりやすくするために、G・PG12・R15+・R18+の区分が割り振られています。この区分のことを「レイティング」と呼びます。

レイティングの内容は次のとおりです。

  • G - 全ての年齢層が鑑賞可能(軽度の暴力や犯罪は容認)
  • PG12 - 12歳未満(小学生以上)の鑑賞には成人保護者の助言や指導が求められる。
  • R15+ - 15歳未満の入場(鑑賞)を禁止
  • R18+ - 18歳未満の入場(鑑賞)を禁止

ドキッとするシーンは?

映画は大画面・大音響なので、ホラーシーンで子どもが眠れなくなるということもあります。

全体的にポップでファンタジーな作品なので露骨なホラーシーンはないのですが、後半の一ヶ所だけドキッとするシーンがあります。

未就学の下の子は、案の定このシーンでビクッとしていましたが、トラウマになるほどのシーンではありません。

もし極度の怖がりのお子さんでしたら、事前に「後半のおサルさんが出てくるシーンで、1回だけドキッとすることがある」と伝えておくと良いでしょう。

事前準備|オズの魔法使い

映画館でオズの魔法使いを見ている

元となった「オズの魔法使い」を知っておくことで、映画をより深く楽しめます。

おすすめは1939年にアメリカで公開された「オズの魔法使」(映画版はさいごの「い」がない)です。

配信では、U-NEXTの見放題、Amazonプライム・TELASA・J:COM STREAMのレンタル配信があるのですが、残念ながら字幕版しか配信されていません。

数百円の差額を払うことで、ブルーレイ版をAmazonで1200円(記事編集現在)で購入できます。特典映像も多数収録されており、繰り返し見たい作品なので、購入して持っておくのはオススメです。

created by Rinker
¥1,200 (2025/04/01 14:25:57時点 Amazon調べ-詳細)

オズと関連するシーンが多数登場

我が家は映画を見に行く前日にブルーレイを見せました。

ウィキッドと同じく、緑の肌を持つ「西の悪い魔女」や、北の良い魔女「グリンダ」(原作本では南の良い魔女がグリンダですが、分かりやすく北と南の魔女を合体させ、北の魔女で表現されている)も登場します。またオズの魔法使いの正体もわかりやすく表現されています。

それ以外にも、オズの仲間たち・ケシ(ポピー)の花畑・黄色いレンガの道・マンチキンランド・エメラルドシティ・スパイのサルなど、関連するものがウィキッドにも登場します。

特に物語の始まりのシーンを理解するためには、オズの魔法使いの基礎知識がないとわからないので、時間があれば小説版も親子で読んでおくとなお良しです。

created by Rinker
¥726 (2025/04/01 19:19:01時点 Amazon調べ-詳細)

今作「ウィキッド ふたりの魔女」は、前・後編の2部作のうちの「前編」にあたります。後編ではオズの魔法使いと関係する重要なシーンが登場してきますので、どちらも鑑賞予定の方は、必ず原作を押さえておきましょう。

事前準備|歌を聴く

ウィキッドのCDを持っている両手のアップ

事前に楽曲を聴いておくと、映画への興味がさらに高まります。

我が家では1週間前からサウンドトラックを再生し、連続して曲を流していました。

ウィキッドは全てが名曲と呼ぶべき楽曲の集まりで、今作でもミュージカルの楽曲はすべて歌唱されます。

「What Is Feeling」「Popular」「One Short Day」は、子どもが聴いても軽快な曲です。下の子は歌が気に入って、うろ覚えの英語で歌うほどになりました。

知っている曲が映画で流れるだけで気持ちがそちらに行くので、ぜひ一緒に曲を聴いてみましょう。

サウンドトラックは、配信の聴き放題と、ボーナストラックが収録された日本盤のCDが発売されています。

created by Rinker
ユニバーサル ミュージック
¥3,300 (2025/04/01 14:44:05時点 Amazon調べ-詳細)

座席と時間選び

4人家族の親子が映画館の座席に楽しそうに座っている

お子様連れでも安心な、座席と時間帯の選び方をご紹介します。

今作は2時間41分あり、上映前のCMを合わせると3時間程度の上映時間があります。

小さなお子さんの場合、映画館の座席に3時間じっと座れるほどの集中力はありません。また、お手洗いに行きたがる可能性もあります。

下の子も中盤ぐらいから座席でイゴイゴし始めました。後半は展開も早く、子どもにとっても見応えのあるシーンの連続なので集中して見ていたようです。

初めて子ども連れで映画を見に行く方、過去の映画鑑賞で子どもがイゴイゴしたことがあるならば、座席選びさえ間違えなければ安心して鑑賞できます。

最適な座席は?

まずはこの座席図をご覧ください。

映画館の座席図

お子さんを連れて3~4人家族で座席を選ぶとしたら、どの位置を選びますか?

この座席設定の場合で、じっとしていられない子ども連れで映画館に行く場合、最も多いのは次のパターンです。

映画館の座席図。子どもと座る場合の最適な位置

経験上、子連れ家族で座っていることが多いのは、左前方の緑の丸印の場所です。

この座席は出入口のスロープに近く、万が一のトイレの際にも動きやすい位置になります。

座席が4列シートのため孤立して座りやすいことや、前方に座る人も居なさそうなため、小さな子どもの視界の妨げになりにくいという意味でもここを選ぶ人が多いのでしょう。

しかしこの位置は、思った以上に他の座席からも目に入りやすい位置で、子どもが動きだすと目立ちやすくなります。特に子どもが映画館で座っている時のイゴイゴのしかたは、カラダを前後に動かす・顔より上に手をあげる・お尻を浮かせるといった行動です。いずれも目につきやすい行動になるので、ある程度の年齢になるまでここは避けた方が良いでしょう。

以上の懸念事項も踏まえ座席選びをするならば、後方左右の赤丸の座席位置が理想的と言えます。

この座席位置付近は、満席近くにならなければ隣に他の方が来ることもなく安心して座ることができます。子どもが上下・前後に体を揺すっても目立ちにくく、トイレの際にも席を立ちやすいという利点もあります。

ただし暗い中での階段移動となるので、トイレを急ぐ必要はありますが、落ち着いて行動をする必要があります。

最も選んではいけない場所は?

参考までに、最も選んではいけない場所をお伝えしておくと、下の図のオレンジの枠の場所になります。

映画館の座席図。子ども連れが選んではいけない場所

この付近一帯の座席は、映像・音響共に一番バランスの良い座席となります。映画好きの方は好んでこの場所を購入する方が多いです。シアターの事前予約が始まると真っ先に埋まっていくのもこの付近です。

映画を没頭して観たい方が多いので、小さな子ども連れでこの辺りを選んでしまうと、子どもの動作によってクレームが発生することもあります。子ども連れではないのですが、上映中に話をする若い方がクレームを受けているのを、実際に何度か見たことがあります。

映画を良い環境で見たいという気持ちは分かりますが、中学生以上になり、落ち着いて映画が観られるようになるまでは我慢しておきましょう。

最適な時間帯は?

映画館が最も空いている時間帯は、午前中と20時以降のレイトショーです。

子どもがいるとレイトショーは難しいので、午前中・第1回目の上映を目指すと良いでしょう。

上映開始から2週間は混みやすくなるので、上映が開始されてから3週目以降まで待ってから行くことも検討しましょう。

映画館フード

4人家族の親子が手にフードを持って楽しそうにしている

映画館での食事は、子どもにとって特別な体験になります。

特に子どもにとっては、大きなスクリーンと素晴らしいサウンドを体感しながら、ポップコーンを食べると言う非日常的な行為は、思い出深い体験となります。

集中力がまだ長く続かない小さな子どもの場合、ポップコーンを購入しておくことで、長い映画でもある程度イゴイゴせずに座っていてくれます。

ただし子どもは騒音に対しては敏感ではないので、静かなシーンでポップコーンを漁る音や、ジュースのズルズル音が出ても気になりません。ポップコーンを取るのは大きな音が鳴っている時・音を立てない工夫をする・静かに食べるといった約束をしておくと良いでしょう。

映画館のフード料金は物価高騰のため値上がりしています。家族4人でジュースと軽食、それにポップコーンを足すと5,000円くらいは必要になります。

親子で感想を共有

母親と女の子がウィキッドのパンフレットを2人で読みながら楽しそうに話をしている

映画を見た後は、親子で感想を共有し、理解を深めましょう。

ウィキッドは誰もが理解できるように、分かりやすく作られた映画です。しかし、説明がなく、考察する必要があるシーンもいくつか登場します。

あのシーンのあの人物は、どんな気持ちで行動したのだろうかなど、鑑賞後は親子で話すのがおすすめです。子どもらしい意見も飛び出すと思うので、思い出に浸りながら映画の話を楽しみましょう。

意味や伏線・考察などを詳しく解説した記事もありますので、ぜひお役立てください。


ウィキッドはオズの魔法使いの派生作品でありながら、不倫や三角関係・善と悪・陰謀・欲望など、大人向けの要素が多く散りばめられた作品です。

原作となった小説は表現も難しく、子どもに読ませるには衝撃度の高い内容も出てきます。そのハードルを下げたのがミュージカル版で、映画はさらにハードルが下がっている作品となります。

映像も音楽も華やかで、シーンの半分以上はコメディタッチに描かれています。子どもにはまだ分かりづらいシーンはあるかもしれませんが、それでも2人の魔女の友情物語は、子どもの心を動かす作品だと感じました。

親子で一緒に、魔法の世界を冒険してみてください。