Googleが2020年8月20日に日本で発売した完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds(第2世代)」。
使用から約5ヶ月が経過しました。
結果としてはすごく良い買い物をしたと感じているのですが、今まで使ってきて感じた事などをレビューしていきます。
この記事のもくじ
足りないと言われた重低音
このイヤホンが発売された時、様々にレビューサイトで必ず書かれていたのが「低音が足りない」という感想。
サウンドの質感というのは個人的な主観によるので絶対というサウンドは存在しませんが、他のイヤホンと比較すると確かにGoogleのイヤホンは低音が感じにくいことがわかります。
実際私も一番最初に使った時にアレ思ったような音と違うと感じたのは確か。
では5ヶ月経った今不満があるかというと逆で、音楽を聞く楽しみが増したというのが正直な感想。
聞こえなかった音が聞こえてくる
重低音が強いと音楽の聴き応えもあるしテンションも上がり、何よりも良い曲を聞いている感じに浸れるという心理的作用もあります。
ただデメリットもあって低音に埋もれてしまった音はマスキング効果で聞こえなくなってしまいます。
道路で会話しているときにトラックが通った時に相手の声が聞こえにくくなるのや、電車の中で会話が聞き取りにくいのもマスキング効果のせい。
現代はアイドルからアニメまでEDMなど低音がブーストされたサウンドも多く、低音の効いた音楽作りは一種の流行りサウンドになっています。
なので当然イヤホン業界の流れもそっち系に行くわけですが、イヤホンがバスブーストすることは本来の音楽のカタチを変化させているのと同じ。
Googleイヤホンは低音が足りない分ナチュラルに音楽が聴けるようになっていて、ふと後ろの方でこんな音が鳴っていたんだと気づくことが何度もありました。
特に私の場合シンセで音楽を作ったりもするので、かすかにシーケンスの音を入れたりという仕掛けを施す事がよくあります。
当然プロもそうした音作りをしているわけなので、スピーカーでも聞き取りにくかった音が聞こえてくるのは更に音楽の楽しみを広げてくれました。
定位感があり疲れにくいサウンド
低音が少なくナチュラルなサウンドなので他にもメリットはあります。
1つは定位感がハッキリしていること。
定位感というのはボーカルは中央、ギターは右、シンセの音は斜め左、ベースとバスドラムはボーカルの後ろみたいに、それぞれの楽器の配置のこと。
定位感がハッキリしていると音楽が再生されている空間の広がりも感じる事ができて、とっても耳馴染みの良いサウンドになります。
低音がきついとどうしてもバスドラムやベースが前に出てきて覆い隠してしまう音も増えてきて、結果定位感が崩れて空間が狭まって聞こえることもあります。
Googeイヤホンではより自然に近いサウンドなので、音の広がりを十分に感じ取ることができます。
装着感
Googleイヤホンは人気のAirPodsと違い耳の中に収まりやすい構造になっています。
写真ではパット見、バッテリーなどが収められている丸い部分が重たそうでイヤーピース部とのバランスが悪そうですが、実際の装着方法は耳に入れると少し回転させて小さな突起を耳の穴に引っ掛けて固定するようになります。
これのおかげで耳の中ではガシッと固定され、揺れることもズレることもなくなります。
普通の強度で装着し頭をかなり激しく振るという実験をしてみましたがイヤホンはビクともせずで、むしろイヤホンが落下するまで頭を振り続けると体調不良になりそうなレベルです。
本体は防水設計になっていてジョギングをしながらの想定も十分にされているはずなので、様々なシーンでの装着テストを繰り返し行い設計されたのでしょう。
バッテリーの持ちは?
バッテリーの持ちは、音楽の再生で連続5時間、通話で2.5時間とされていて、充電を兼ねているケースに収める事により音楽再生24時間、通話で12時間の使用が可能とされています。
さすがに音楽再生を5時間し続けるのはなかなか無いはずですし、通話も長くて2時間程度と考えればバッテリー容量は実用的と考えられますし、私はけっこう長く通話するタイプですが途中でバッテリー切れを起こしたことは1度もありません。
ちなみにAirPods Proで再生4.5時間、通話で3.5時間とされていますので、バッテリー容量としては平均並みと言えるでしょう。
通話は?
今となればそこそこ音楽再生もきれいでお値段も3000円前後のワイヤレスイヤホンが山ほど見つかりますが、残念ながら通話品質は良くないようで声が聞き取りづらいとか雑音が多い、音質がこもっているなど通話相手からの評価はイマイチ。
3つの仕組みで音質を担保
Googleイヤホンは通話の品質はかなり良いようで、実家や友人にイヤホンで通話することがほとんどですが、小声で話してもかなり大きな音声で聞こえているそうで、音質もかなり良いらしく、イヤホンで話していることを伝えるとだいたいは驚かれます。
この音質を作り出しているのが3つの仕組み。
1つはビームフォーミング対応のマイク。
ビームフォーミングとは音の発生源を複雑な計算で特定し、その音を目指して音声を拾う仕組みです。
小声であっても声をしっかり拾ってくれる秘密はここにあります。
2つ目がノイズ解析マイク。
周囲で鳴っている騒音を解析し通話の質を向上させる手伝いをしています。
最後の3つ目が骨伝導。
骨伝導は骨を伝わってくる振動を音に復元する仕組みで、骨を震わす程の大音量でもない限りは話している人の振動だけが伝わるので、クリアな音質が担保されるというわけです。
それにしてもこんな小さくて軽いイヤホンの中に、バッテリーと共にマイクや高性能センサーが内蔵されていることに驚かされます。
操作は軽快
イヤホンの丸い部分は左右とも共通して反応するタッチセンサーになっています。
例えば1回タップすると音楽再生・停止、受話。
2回タップで次の曲、終話。
3回タップで前の曲という動作に加え、前後のスライドで音量調節も可能。
動作はどれも軽快で引っかかりもなく作動してくれますが、iOS環境下で使用すると音楽再生・停止が効かなかったり、終話ができなかったりすることがあります。
これはAndroid端末との互換性を優先しているのでしょうがないことかもしれませんが、ぜひアップデートで改善してほしい項目になります。
とりあえず半年近く利用してきましたが、大きな不満もなくむしろ手放せなくなっている状態です。
家事をするときも邪魔にならないですし、水仕事でも落下する心配もないので専業主婦の方にもおすすめできるイヤホンです。
もし低音が辛いとか、できるだけナチュラルサウンドが好みならAirPodsよりもGoogle Pixel Budsの方がおすすめです。