本日14時半より楽天モバイルの新プランについてプレスカンファレンスが行われ、2021年4月1日から導入される新プランについての発表がありました。
これはドコモ「ahamo」、au「povo」、ソフトバンク「Softbank on LINE」が対抗格安プランを出してきたためで、先出しで2980円のプランを出していた楽天モバイルがさらにプラン条件を見直し、使わない月は0円という衝撃のプランとなってます。
プラン詳細についてわかりやすく解説していきます。
この記事のもくじ
楽天モバイルの現状
まずは楽天モバイルの現状から説明がありました。
2020年11月の状況となりますが、大手4キャリア総合満足度では第1位を獲得したそうです。
ただしこのデータは月額料金の安さなどが中心に反映されており、ずっと不満が続いている顧客サポートはauやドコモが上位に食い込んでいます。
ユーザー数
MNO+MVNOを合計したユーザー数は360万人。
MNOは「Mobile Network Operator」の略称でいわゆるau、ドコモ、Softbankなどの大手キャリアと言われる会社の事を指します。
MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略称で、大手キャリアから回線の提供を受けて格安プランを提供している会社。
楽天モバイルは新規受け付けを終了しているもののMVNOの格安プランを提供していてそのユーザーも現在生きていますから、純粋な楽天UN-LIMITのユーザー数でないことに注意。
本日の発表でも契約数は220万人と発表されましたが、これから他社への流出も相次ぐでしょうから5月ごろにはまた違った数字になっているかもしれません。
0円の新プラン
今回発表されたのは「Rakuten UN-LIMIT Ⅵ」(Rakuten UN-LIMIT 6)で、今まで発表された料金月2980円(税別)を上限に、ギガを使わない月は更に料金を抑えられるプランとなっています。
料金は4段階制
現在のプランはどれだけギガを使っても月2980円ですが、4月1日からスタートする新プランは段階制となります。
段階による料金の違いは次の通り。
※クリックで料金表示
毎月の申し込みは不要
プランは段階制でお得になるのはわかりましたが、毎月の申し込みは必要などと疑問に思うかもしれません。
そこは安心して大丈夫。
楽天モバイルはワンプランでややこしい複数プランにはなっていません。
なので、4月は22GB使ったから2980円、6月は1ヶ月海外に行って使わなかったので0円、7月は少しだけで2GBだったので980円と、それぞれ月ごとにどれだけのデータ容量を使ったのかで自動的に料金が確定される仕組みで、翌月どれくらい使うかを事前申告する必要はありません。
また金額の上限も2980円と決まっており、通信速度も楽天回線を使っている以上は減速もなく、これから出てくる他社の格安プランのように20GBを超えると速度制限がかかったり1GBあたり500円のオプション購入を迫られる必要もなく安心でわかりやすいプランだと言えます。
通話はどうなる?
心配になるのが通話に関してですが、通話0円し放題がそもそも含まれているプランなので、その月が0円のギガ数に抑えている場合にナビダイヤルなどの有料通話をしていない限りは請求は0円となります。
つまり通話の条件はそのままで、パケット通信にのみ条件が有利に変わったという事で、無料通話対象番号に10時間通話していようがパケット利用量が1GB以下に収まっていると0円の請求となるわけです。
申込みは必要?
現在「RakutenUN-LIMIT」はバージョンがⅤ(5)、4月1日からは自動的に「RakutenUN-LIMIT Ⅵ」へと移行されます。
移行と言ってもあくまで料金面での段階制導入なので、どちらかというと楽天側の仕組み変更のみという感じですね。
店頭申込みも可能
各社の低価格新プランは低価格を実現するため様々な面でも費用節約を行っています。
その中のひとつが店舗での対応無し。
申込みはネットのみとなるのですが、楽天は店舗での申込みも可能。
ただでさえ仕組みがややこしくて、契約後に言った言わないのひと悶着が起こることもしばしばある携帯契約。
そもそも簡単なプランですが、店舗で一つ一つ確認しながら契約できるのは強みの1つとなるかもしれません。
無料期間はどうなる?
ここで心配なのが料金プラン変更による1年間無料の特典。
これも安心して大丈夫で、300万名まで1年間無料というのは新料金プランへ移行しても変わらず実施され、現在無料プラン中の人も引き続き条件が変わらないままに使うことが可能です。
楽天モバイルのこれから
カンファレンスの最後では楽天モバイルの今後の展開についても説明がありました。
人口カバー率
人口カバー率は総務省が定義している算出方法によってエリアを区切り、通信圏内であるかどうかを判定した数値です。
実際の利用者に電波が届いているかを表した数値では無く、定められたエリアに電波が届いてさえいれば圏内と判定されるキャリアにとっては若干有利な表現方法です。
これは車の販売カタログにおける燃費が実燃費より高く設定されるよう有利な条件で算出されているのに似てるかもしれません。
現在人口カバー率は73.5%とされていますが、思った以上に地方に電波が届いていなかったり都会でも県外になるのはこのせいです。
なお3月末には80%見込み、今年の夏には当初計画の5年前倒しで96%見込みとなる予定です。
2023年には人口カバー率100%に?
2023年には人工衛星を持ちいた通信を予定した「スペースモバイル計画」が予定されており、米国のベンチャー企業ASTと提携した人工衛星を基地局として設置、上空から電波を送ることによって山間部など圏外のエリアにも電波が送り届けられるようになります。
そうなると人口カバー率は100%になります。
将来的には今まで届かなかった山にも電波が届くようになるので、登山家の人たちには人気のキャリアになるかもしれませんし、津波や地震などで基地局がダウンしても衛生からの電波は生きているので災害時の通信インフラとしても期待できそうです。
ただし当初は2022年とされていた計画が先送りになっているのでもう少し時間がかかるかもしれません。
人口カバー率が実用的に届くのも夏以降なので一旦は楽天モバイルを離れる人は多いかもしれなくて、現実的に首都圏などではauのローミングも終了し圏外になり使えない人が出てきたり、圏内であってもauローミングになったり、ショッピングセンター内や地下では楽天回線が入らないなどの状況も多発しています。
どんなに安くお得なプランであっても、人はサービスの質に対して価値を決めるのでサポートの品質向上や早急な回線品質の向上がなければしばらくの間普及も鈍化するかもしれません。