楽天モバイルが先日カンファレンスを実施し、4月1日からの新プランを発表しました。
【参考記事】
【楽天モバイル】1GBまでなら0円 衝撃の新プランをわかりやすく解説
ほとんど使わなかった月は0円というインパクトのあるプラン発表だっただけに、その後楽天モバイルの申込みページは接続エラーが出るほど申し込みが殺到し申込数も250万人を突破したそうです。
1年間無料キャンペーンが300万人限定なので、まさに駆け込み需要といった感じです。
春の新プランに向けて大手携帯キャリアがそれぞれ3000円前後の格安プランを発表しどれにするか悩んでいる人も多いと思います。
ただ格安プランの中で唯一パケット容量無制限なのが楽天モバイルで、契約すべきか迷っている人も多いはす。
そこで地方在住で昨年5月に契約し、様々な旅先で利用した事も含め感じたメリットとデメリットを紹介していきます。
この記事のもくじ
地方民でも契約してお得?
楽天モバイルの使用レポートを見るとほとんどが都内在住などであまり地方民のレビューは見当たりません。
これはそもそも圏外でパートナー回線エリアなのでいくら1年無料とは言え端末費用は必要なので契約を見送る人が多いからでしょう。
私が住んでいる地域は中国地方の田舎なのですが、今の所家族で2回線契約をしています。
1回線は妻が持っていて職場と自宅には光回線が常備、仕事で外に出ている間ならパートナー回線の5GBでも事足りるし低速になっても1Mbps出るならなんとか使えるということで契約。
もう1回線は私が持っていて仕事や旅行で様々な土地に出向く事が多く、目的地が楽天回線の可能性も多かったので契約しました。
ちなみにふたりとも元々は専用端末を契約時に購入したのですが、iPhone対応がアナウンスされたので物理カードのnanoSIMからeSIMへと変更し二人共iPhone 11 ProにデュアルSIMとして設定、メイン回線であるauの通話とパケットを最低プランに節約し楽天回線を使っています。
地方はパートナー回線が繋がりにくい事も
地方は場所によって大手3大キャリア(docomo、Softbank、au)でも十分な速度が出ない地域は多数あります。
パートナー回線の5GBを使い切った際の低速モードでは更に顕著で、アンテナが十分に立っている状況でさえ画面表示がなかなかされなくて不便する場面は多くあります。
パートナー回線のローミングといってもauは負担がかからないよう帯域制限はかけているでしょうからこれは地方に限ったことではないかもしれませんが、楽天回線圏内で生活している人のローミングがサブという感覚とは違いローミングがメインになってしまうので不満は出てしまう状況です。
地方の回線工事は遅れがち
東京や大阪など、いわゆる都会と言われる地域は予定よりも繰り上げて回線の設置が行われているようですが残念ながら地方ではそうはいかない模様。
私の住んでいるエリアは本来であれば1月中には圏内に入る予定でした。
しかし残念ながら今でも圏外のままで1月末までの予定が2月末になり、今では4月末までに開通予定と繰り下げられてしまいました。
夏頃の96%は不可能?
会見では3月にカバー率を70%、夏頃には96%にとアナウンスされていますが、楽天モバイルの地図を見ると分かる通り人口密集地以外のエリアはスカスカな状態。
これ実際のところ夏頃の96%というのは実施不可ではないでしょうか。
そうなってくるとユーザーの不満も多くなり解約も増えるので、万が一の際は繋ぎ止めの救済プランが出るかもしれませんね。
回線スピードはどれくらい?
楽天はお世辞にも口コミが悪く(サポートがとにかく問題)、ブランド的にも価値が下がっているため回線スピードも品質が悪く思われがちですが、開始当初首都圏で100Mbps近くが出るなど想像より速く出ていたようです。
現在ではユーザーが増えたのもあるかもしれませんが速度は10〜40Mbps程度で出ているようで、大手3大キャリアと比較的変わらない感じです。
室内では繋がらない事も
ただし完全にエリア内に入っていても室内や路地裏のような場所は弱いようで、例えば大阪で使った時もホテルで高階層になった場合などはパートナー回線だったり、入り組んだモール内部で圏外になることもありましたし、地方の圏内エリアに立っているホテル1階部分でもパートナー回線になってしまい速度も0.5Mbps程度しか出ないなどもありました。
これは楽天が利用している1.7ギガヘルツ帯という電波の周波数が原因と考えられ、この周波数は5Gで利用する電波に比べて届きやすいものの、遮へい物を通り抜けるのは苦手だそうで、先にあげた状況ではやはり電波が届きにくくなってしまうそう。
大手3大キャリアは700〜900メガヘルツのいわゆる「プラチナバンド」の電波を使っており、この帯域の電波は従来に比べ遠くまで電波が届き路地裏も回り込む特性を持っているためより繋がりやすくなっています。
今後圏外になることも
先日東京エリアが3月末でローミング終了のアナウンスが出され、実際に2020年10月から東京・大阪・奈良のエリアでは段階的にローミングが終了しています。
そのため状況によってはエリア内であっても圏外になる可能性もあり、実際昨年10月以降圏外になったと言う声も相次いでいます。
圏外になったユーザーは電話相談の上docomoのWi-Fiルーターなどを無償貸し出しているそうで、少し引き上げが早かったようです。
地方や首都圏近辺で契約を考えている人はサブ回線からスタートし、状況を見て本回線にする方が安全かもしれません。
メリットは?
ではここから楽天回線で感じたメリットを紹介していきます。
初期費用が格安
当初3300円かかっていた事務手数料等がここ最近撤廃され、初期費用である事務手数料も無料で契約できるようになりました。
それにより初期費用は端末代のみとなり、もしSIMロックフリーの対応端末を所持しているなら0円導入も可能で、空きの端末があるならお試しで1年間、初期費用や月の費用も負担なく試してみる事ができるのは魅力的です。
パケットが使い放題
かつてはスマホのパケット(いわゆるギガ)は使い放題でしたが、スマホのユーザーが増えてくると途端に7GBまでの制限がかかり、今では20GBなど制限付きのプランが当たり前となりました。
音楽は配信が当たり前となり、若者の時間つぶしも動画鑑賞、スマホ向けコンテンツは容量も増加し、自宅では固定回線も付けない人が増えている中で逆行している状態です。
そんな中で3大キャリアの格安プランと同等価格にも関わらずギガ使い放題というのは大きなメリットです。
もちろん1日あたりの使用制限は有り無限というわけではないようですが、それでも気兼ねなくネット接続ができるのはありがたいです。
通話が無制限
通話無制限で格安プランを契約した場合、3大キャリアの月費用は全て4378円(税込)と足並みが揃っています。
楽天モバイルの場合、通話無制限が初期から付帯しており3278円(税込)となり、3大キャリアよりも1100円安くなる計算になります。
ただし3大キャリアはギガ数が20GBまでなので純粋に1100円差で比較できませんが、この金額差は十分な選択肢になり得そうです。
使わない月は格安に
先日のカンファレンスにおいて4月1日より新プラン運用のアナウンスがされました。
そこで決まったのが0〜1GBまでが0円、〜3GBまでが980円、〜20GBまでが1980円、それ以上が2980円という従量制料金設定。
これは例えば実家の高齢の両親にLINEメッセージオンリーで0〜980円程度で使ったり、海外旅行に長期で行く間は全く使わなかった月は0円、よくわからず大量のギガを消費しても2980円で済むなどかなり柔軟なプラン構成になっています。
ギガを節約すればお金も節約になるのは、固定回線も契約している人にはなかなか魅力的なプランです。
解約しやすい
楽天モバイルは2年縛りなどがなくいつでも違約金も無く解約することが可能。
これは解約されて他に流れやすくなる反面、いつでも解約できるので再び戻ってきて再契約をしやすくする要因にもなります。
契約する時もお試し感覚でできるので大きなメリットになると言えます。
デメリットは?
ここまで良い点を述べてきましたがほとんどが料金面でのこと。
ではデメリットはどんな部分か見ていきましょう。
サポートが最悪
スマホ契約という分野はサポートが大きな要になります。
ただ肝心なサポートが大手キャリアと思えないほど最悪で、携帯キャリア以外の業種と考えてもワーストに入るレベルの対応。
折返しは約束通りかかってこず、サポートのオペレーターは通話ログも残さない事があったり、チャットサポートは応答まで数日を要した挙げ句返事がないからと勝手にクローズしたりと、ネットで調べるとどんどんネガティブな情報が出てきます。
サポートと言えば顔になる部分なのにそこをしくじったために現在はブランド価値が落ちている状況です。
回線の事もそうですが、まずはここを建て直さないと最終的に解約が続出、費用が数千円高くても安心感のある3大キャリアに流れてしまうのではないでしょうか。
システムに問題あり
どうもシステム回りに問題があるようで、例えば私の家族の場合、免許証での本人確認がどう頑張ってもエラーでできずどんなに問い合わせても改善されず最終的に契約ができませんでした。
他の家族も分割で買ったのに一括請求が来たり、家族だったり勧めた知人など私と合わせて7回線あるのですが、3回線(うち2回線は重大な問題)に何かしら問題が発生しました。
この計算で行くと2人に1人程度で何かしらの問題が発生する確率で、これは異常な数値だと言えます。
電波強度は弱い
先の文章でも書きましたが、プラチナバンドではないので室内や路地裏、地下などで繋がりが悪くなる事が多くあります。
いまはauのローミングがあるので良いのですが、来年あたりになってくるとローミングも軒並み終了し繋がらない箇所が多く出てくるかもしれません。
メイン回線として1本化するには不安が残るので、1年無料の終了時はいったん様子見で解約する人が相次ぐのではないでしょうか。
規約やプラン変更を危惧
改悪と言われる規約変更など、楽天にとっては「お家芸」と呼ばれるほど。
今回の新プランも将来的に改悪されるのではと危惧しているユーザーは少なくありません。
実際、4月1日からスーパーポイントアッププログラム(通称SPU)が改悪あれ、楽天ゴールドカードの支払いで+4倍だったポイントが+2倍へと減少することがアナウンスされ、楽天モバイルの新プラン発表と時期が重なったこともあり多くのユーザーが危惧しています。
iPhoneだと使いにくい
日本でのiPhoneの販売シェア率が70%程度と発表されているにも関わらず、楽天モバイルのメイン端末はAndroidです。
アプリもAndroid主体で作られており、iPhone用のアプリが出たのも開始からだいぶ経過した後です。
しかもiPhoneアプリはまだまだ未成熟で、一番重要な回線種別が表示されないという重大欠陥があります。
殆どのユーザーが回線種別を目的にアプリを導入しているはずなので、一番ニーズのある機能がいまだに未実装なのは不満の募るところです。
もしスタート時にiPhoneでも完璧な体制を整えていたら今頃300万人は余裕で突破していたかもしれません。
LINEが年齢認証不可
サブで端末を持つことになった人でもう一つLINEを取得することを考えた人も多いのでは?
ですが残念ながらLINEをインストールして使う事は可能でも今までと同じように使うことができません。
年齢認証ができないため新規でLINEを入れた場合ID検索ができないようになっています。
QRコードやふるふる機能で友達追加ができるのでそのまま使うことは可能ですが、それでもフルバージョンでLINEが使えない事は不便だと言えます。
なお、すでに年齢認証されたLINEを機種変更で楽天モバイルの端末に入れた場合は年齢認証済みとして利用可能です。
当分は様子見か?
以上のように料金や柔軟性ではメリットがありますが、サポートやシステム面、そして一番重要な繋がりやすさでは大きな不安が残る状態です。
とにかく安く使い放題を使っていきたい場合は契約、機械に弱く自己解決が難しい人や高齢の方は安定するまで様子見が良いかもしれません。
いずれにしても夏の人口カバー率達成か否かが次の大きな境目になることでしょう。