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大阪の人気テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市此花区)(以降、USJ)は、2025年2月3日より、これまで実施してきた手荷物検査を目視による簡易的なものから切り替え、より精度が高くセキュリティ強化された「X線検査」及びゲートをくぐる「金属探知機」での検査へと変更しました。
今回の記事では、「今までの検査方法と何が変わったのか」「検査を行う場所」「検査方法」「検査後の入場方法」などを詳しく紹介し、スムーズな入場方法のために「持ち込めないものの紹介」や「どのレーンに並ぶのが効率的」か、そして、厳重な手荷物検査がなぜ行われるようになったのかの背景などを紹介していきます。
この記事のもくじ
新たな入場ルート
ユニバーサル・シティ・ウォーク側(JR側)からのゲートと、駐車場・バスターミナル側からのゲートをくぐると、そのままチケットブースやエントランスに進み、入場直前に手荷物の検査、それから入場するという仕組みでしたが、入場方法が変更されました。
まずは保安検査場へ
新たな入場方法は、JR側、駐車場・バスターミナル側のいずれからゲートをくぐっても、エントランスを正面として右側ゲートの外側にある「保安検査場」へ向かう必要があります。駐車場・バスターミナル側から来場するゲストは通り道なのでそのまま便利ですが、電車を利用してJR側から来場するゲストは大きく迂回する必要があります。
保安検査場をスムーズに通過する方法を徹底解説!
保安検査場で行う検査は2つ。「手荷物検査用 X線検査装置」による手荷物の検査、「ウォークスルー型金属探知機」による検査です。
いずれの装置や方法も空港の保安検査場と同じ仕組みです。順を追って説明していきます。
X線検査装置
バックやリュックなどの手荷物をトンネル型の装置に通過させ、X線画像から内部の状況を確認する装置です。以前まではセキュリティ・クルーが手荷物の中を目視で、持ち上げて重さの確認をしていたのですが、X線を用いることで手荷物内部の全てを確認することができ、大幅なセキュリティの向上となりました。
1. ポケットの中身を全てカバンに入れる
手荷物検査を受ける列に並んでいる間に、ポケットに入っている全てのものをカバンに入れておきます。身につけているものをはずすことまではアナウンスされていませんが、念のためスマートウォッチなどの金属探知機に反応しそうな物も、カバンに入れておく方が安心です。
2. 手荷物をトレーに乗せる
手荷物を設置されているトレーに、横に広がるように寝かせて進みます。食べ物は持ち込みできないので横にして不都合な物はないかと考えられますが、もしそのような物があれば寝かせることを想定して入れ直しておきましょう。
飲み物以外の液体物についても確認が行われます。例えばコンタクトの保存液や水ぐすりなどを持参している場合は事前に申告したり、すぐに取り出せる位置にしまっておくのがおすすめです。
ベビーカーをご利用の方も、荷物はすべてトレーに乗せてください。育児用品は普段の荷物よりもかさばりますが、安全のための荷物検査なのでスムーズに検査が受けられるよう大きめのバッグを用意しておくなど、工夫をするのも良いですね。
3. 飲み物は手に持って進む
水筒とペットボトルはカバンの中には入れず手に持って進みます。オフィシャルサイトに持ち込み可能なペットボトル容量(500ml以下を1人1本まで)という表記がありましたが、現在は確認することができなくなっています。
酷暑による水分補給の重要性などからもルール変更された可能性が考えられますし、新たに加わった保安検査場での混乱を避けるために一時的にルールを撤廃している可能性がありますが、今後も新たなルールが制定される可能性があるので、入場前に公式サイトで確認しておくと安心です。
なお次の飲料については持ち込み禁止が明記されています。
アルコール類、ビンに入った飲料、カンに入った飲料、フタ付きのカップ飲料、紙パック飲料、密閉できない飲料。哺乳ピンは持ち込み可能です。
金属探知機
ゲート型の探知機を歩いて通過する際、金属を検知する装置です。数年前より試験運用的に空港で使用されているものと同一の、ゲート型の金属探知機が特定のレーンのみ設置されていましたが、保安検査場の新設により、金属探知機での検査が必須となりました。
飲料は持ち上げて探知機をくぐる
X線検査を受けた後は金属探知機をくぐり荷物を受け取るのですが、探知機をくぐる際にペットボトルと水筒を頭の上に持ち上げてくぐる必要があります。水筒が探知機に反応する可能性があるため、探知ゾーン外である上の方に持ち上げることで反応しないようにするという理由も考えられます。例えば、複数本のペットボトルの持ち込みを防ぐ目的や、クルーによる目視をしやすくするためといった理由も考えられます。
水筒を持ち上げる際、フタがゆるくしまっていると、頭から飲み物をかぶってしまう可能性があります。検査を受ける前に、飲料のフタが確実にしまっていることを確認しましょう。ゲストが飲料を頭からかぶってしまうケースが増加した場合、オペレーションの変更が検討される可能性があります。
ゲート通過後は飲料の中身の確認があります。口頭で中身を伝えるだけで大丈夫ですが、場合によりクルーによる中身の確認や試飲の協力を求められる事もアナウンスされています。また、金属探知機で十分な確認ができない場合もクルーによりボディチェックが行われるので、協力する必要があります。
持ち込み禁止物 – 失敗しないために
保安検査場でスムーズな検査を受けるため、事前に持ち込み禁止物を把握しておきましょう。
大型荷物類
来場者数が増加したこともあり、持ち込み可能だったキャリーケースも数年前より持ち込み禁止となるなど、他のテーマパークに比べ持ち込み禁止手荷物のルールも厳しくなっています。数年ぶりにUSJを訪れる方は必ず確認しておきましょう。
カート類
ベビーカーや車椅子、医療器具である歩行補助具は持ち込み可能。
キャリーケースなどの大型のバッグ類、物品運送用のカート、車両などは持ち込み禁止。子どもを乗せることができるキャリーワゴンも持ち込めません。
大型荷物
幅400mm × 590mm × 高さ300mmを超える大きな荷物は、X線検査装置での検査ができないため持ち込みできません。
食べ物
シティ・ウォークで購入したテイクアウトの食べ物や、お弁当の持ち込みは禁止です。お土産として購入した包装済み、または密閉済みの食べ物については、持ち込み可能な場合もありますが、パーク内での飲食は禁止されています。
ベビーフードや小さな子ども用のおやつ、食事制限のある人に関しての持ち込みはクルーへ相談の上で、持ち込みも可能となっています。
※飲み物の持ち込み可変については、金属探知機の項目に記載。
カメラ用三脚、自撮り棒
今では使っている人もあまり見かけなくなりましたが、自撮り棒が爆発的に流行った時代があり、混雑しているパーク内では危険なため早くから持ち込み禁止となりました。博物館や観光地でも安全や展示品破損事故を防ぐため、多くの場所で禁止が目立つようになり、だんだんと廃れていったようです。
USJでは三脚についてもルールの範囲内であれば利用することができた時代もありましたが、カメラ用一脚・三脚、アクションカメラなどに利用できるロッドなども持ち込み禁止となっています。
ただし、手のひらに収まるハンドサイズの撮影補助具は、伸びる機能がないものに限り持ち込みが許されており、頭の高さを超えない範囲であれば、片手で持っての撮影が可能となっています。
無線機、ドローン、ラジコンなど
さすがにわざわざこれらを持ってくる人はいないかと思いますが、例えば、大阪でラジコン大会に参加した後に来場するなどの場合が無いとも言い切れません。無線機は周波数によってクルー同士の連絡の妨げとなったり、アトラクションを制御している精密機器の誤動作を招く可能性があるので、持ち込み禁止にしたと考えられます。
ドローンは持ち込まなくてもUSJパーク内上空を飛行させた場合、航空法に定める無人航空機に関するルール違反となり50万円以下の罰金や刑事処罰を受ける可能性もあります。墜落でもさせたら傷害罪や業務妨害罪にもなりえるので、間違ってもそのようなことはやめましょう。
危険物
危険物と言っている時点でアウトですが、意外に見落としがちな、ハサミやカッターも持ち込み禁止です。
最近では仮装やコスプレでパークを楽しむ人が増えてきていますが、殺傷能力がない、おもちゃや制作物を含め、武器や凶器の持ち込みは禁止。火薬類、工具、一般的に危険物と呼ばれるもの、ゲストに危害を加えるおそれのあるものは持ち込み禁止。
パーク内で販売されている商品(過去販売されたものを含む)については持ち込み可能。
もしも禁止物が見つかったら
保安検査場で禁止されているものを指摘された場合、持ち込むことはできません。指示に従いましょう。
飲食物の場合であれば、検査場の外で食べてから再度検査を受ける、その場で破棄、ロッカーに預けるという選択肢になります。
それ以外についてはロッカーへ預けてくるよう指示されます。
再検査は時間のロス、必ず事前対応を
「小さな物なのでカバンの中に隠しておけばバレない」なんて考えるのはやめましょう。以前の手荷物検査だと、目視での確認だったため、隠して持ち込もうと思えば可能ではありました。今回からはX線での確認のため見逃しは無くなり、確実に持ち込み禁止物が指摘されるようになります。
ロッカーへ持ち物を入れ直す必要があった場合、保安検査場から離れた場所になるため、改めて保安検査場の列に並び直す必要があります。ロッカーに入りきらない大型荷物の場合は、ゲストサービスで相談することとなります。
繁忙期となるとゲストサービスと共に保安検査場も行列となる可能性も予想しやすく、並び直しのため1時間以上時間をロスする可能性も考えられます。事前に持ち込み禁止物を把握し、パーク内で身軽に遊ぶためにも余計なものは持参しないことがオススメです。
よりスムーズに検査を受けるには
SNSの情報では保安検査場は40ヶ所以上用意されているそうです。入場ゲートが10ヶ所程度しか無いことを考えると、以前よりも厳重な検査を受ける時間のロスはある反面、入場ゲートの4倍近くの保安検査場で効率よく検査を受け、スムーズな入場が可能となったのは喜ぶべきです。検査場の数は時間帯や閑散期などの時期によって増減される可能性があります。
手前は混雑、奥は空き
USJを訪れる多くがJRを利用したゲストです。JR側のゲートから迂回してきたゲストは一番近い保安検査場の列に並ぶ傾向があり、入場ゲートに一番近い手前側は混雑し、入場ゲートから遠ざかるバス・ターミナル側の奥の列は比較的空いていたようです。空いている列を見つけるために、奥まで進んでみましょう。
検査を受けた後は入場ゲートへ自由に並べるようになっているようで、検査後に一番手前となる右側の入場ゲートから混雑が始まる可能性が高いです。それを見越して、奥の左手側の入場ゲートへ向かうというのも一つのテクニックです。
検査強化によるメリットも
保安検査場の導入で、入場するまでのフローが増えたデメリットもありますが、それ以上のメリットがあることも認識しておく必要があります。
気分が台無しになる食べ物の持ち込み
開園当初から、飲べ物の持ち込みは禁止とされてきました。しかし、ユニバーサル・シティ・ウォーク内にあるマクドナルドの持ち込みはかなり多く、コンビニで買ってきたお弁当をベンチで食べていたり、待ち列でおにぎりを食べるゲストも数多くいました。待ち列でのおにぎりは、食べている本人は気づかないものの、かなりニオイが漂い、多少迷惑なところもありました。
X線検査が導入されたことにより、飲べ物の持ち込みはかなり減少する可能性が高く、パーク内レストランの客単価も上がることが予想されます。それが新規アトラクションへと還元されることを期待しましょう。
危険物の持ち込み防止も
日本でも1人のテロ行為による集団殺傷事件や通り魔事件が増加しており、もしテーマパークがテロの犯行現場として狙われた場合、狭い待ち列内やアトラクションのライド内など、逃げ場のない状況が普段の生活圏内以上に存在しています。
犯罪は起きてからでは遅いので、巨額の費用をかけセキュリティを高めてくれていることは、むしろ歓迎するべきです。
なぜ手荷物検査をするの?
テーマパークは日常を忘れ楽しめる場所です。通常であれば入場前に手荷物検査をする事は理想的とは言えません。
USJで手荷物検査が始まったのは2019年6月頃からです。手荷物検査が開始されたのには理由があります。
アメリカ同時多発テロの発生
USJがオープンしたのと同じ年、2001年9月11日、アメリカで同時多発テロ事件が発生しました。今でも多くの方がこの事件のことを鮮明に覚えていることかと思います。この事件を契機に、世界中でセキュリティ意識が高まり始めました。
USJは2010年頃よりV字回復を遂げており、入場者数は年々増加傾向にありました。2014年には総工費400億円を投じた新エリア「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」も登場し、海外からのゲストも多数訪れるようになりました。
年間入場者数も2010年は816万人だったのに対し2014年は過去最高の1,270万人を達成。開業2年目以降1,000万人を下回っていた来場者数は2013年以降連続で1,000万人以上を記録しており、年間を通し常にゲストで溢れるパークへと変化を遂げました。
大阪でG20の実施
2019年6月28日から2日間かけ、G20大阪サミット2019が実施されました。
世界各国の首脳が参加する国際会議であり、万全なセキュリティ対策も必要とされ、危険物を隠される可能性から、大阪の主要駅、お店・施設などからゴミ箱の撤去や使用停止、コインロッカーまでもが使えなくなりました。
駅によっては女性用トイレのサニタリーボックスさえ撤去された所もあり、安全でテロとは無縁と思われてきた日本においても、セキュリティについて考える大きなきっかけになったことは間違いありません。
2019年のUSJの入場者数も1,460万人と年々増加傾向にあり、G20大阪サミットが行われる同じ大阪市に立地するUSJは、サミットの期間が含まれる2019年6月27日から30日までの4日間を警備強化期間とする運営方針を発表し、パーク内コインロッカーの利用を中止、大阪府内の一般道や高速道路で通行止めなど交通規制が行われるため、自家用車での来園を極力控えるよう呼びかけました。
6月1日からは入場前の手荷物検査を実施し、パーク内に持ち込む全ての手荷物の中身と重量をクルーが確認することが始まったのです。
GG20終了後もセキュリティリスクを考慮すると、USJが手荷物検査を継続することは当然と言えるでしょう。こうして今も続くUSJの手荷物検査が始まったのです。
この記事を書き終えて
昨今の無差別的な殺傷事件の報道を見ていると、もしUSJを含む多くのテーマパークが手荷物検査などの警備強化を実施していなかったとすれば、もしかすると犯行現場として狙われていた可能性もあります。
長年、安全運行を行ってきた新幹線でさえ、2015年に男が焼身自殺をはかり、1964年の東海道新幹線開業以来、初めての列車火災事故が起こっています。しかも人為的による原因からです。
安全と思われてきた日本において、空港のようなX線装置や金属探知機を設置することは極端に思えますが、入場前の少しの一手間をかけることでより安全に楽しめることは好意的に受け入れるべきです。
※掲載されている情報は2025年2月4日現在のものです。時間の経過により持ち込み禁止物のルール、保安検査場での対応、入場方法などに変更が生じる可能性があります。最新の情報は必ずユニバーサル・スタジオ・ジャパンの公式ホームページにてご確認ください。