【道路の落下物】運転中に見つけたらどうしてる?−通報先やその方法は

※落下物を発見して早急に連絡先を探している方は、下の「もくじ」から『電話番号は「#9910」』の項目にジャンプして下さい。

車を運転する人なら一度くらい道路の落下物を発見し危ない思いをしたことがあるはずです。そういう時みなさんはどうしていますか?もしかしたら「通報したほうがいいかも」と思った人はいるかもしれませんが、落下物で警察に連絡するのも気が引けると感じるかも。もし運転している時に落下物を発見した際、通報先伝え方を知っておきましょう。

意外と多い落下物

私は運転に関する仕事をしていないにも関わらず比較的長距離運転が多く、だいたい年間の走行距離は3万キロ前後。それくらい走るとやっぱり落下物を発見する頻度はけっこう高くなり、だいたい2ヶ月に1回位は通報しています。

どんな物が落ちてた?

今まで落ちていた物で覚えているのは、「畳」「厨房のキッチンの扉ぽいもの」「麻袋」「ブルーシート」「カーペットのようなもの」「ホテルのベッドに使われるような厚みのあるマットレス」「植木」「ペットボトルが入ったゴミ袋数個」「木材」「タイヤ」「台風で落下した大きな枝」あと落下物では無いのですが、「巨大な鹿の事故後の死骸」が道路の真ん中に倒れていたのも遭遇したことがあります。

鹿にぶつかった事は私も2度あり、その2回共に鹿は生きており逃げていったのですが、保険会社とのやり取りの都合もあったので警察に通報して実況見分というのを行いました。鹿ってメチャクチャ骨が強くて確実に車は破損するのですが、ぶつかった人は警察も呼ばずそのままにしたのでしょうか。というよりも、他の車が事故を起こす可能性があるので大型動物にぶつかった際は必ず状況を確認して通報をしましょう。

通報するタイミングは?

落下物と言っても大きいものから小さいもの、硬いものも柔らかいものも、道の真ん中や路側帯などの状況は様々です。道のど真ん中に大きな木材などであれば通報する義務感に駆られる人は多いはずですが、はしの方に落ちているゴミ袋なんかはちょっと躊躇しますよね。ただ考えてみてください、道路を走るのは車だけではありません。バイクが路側帯をすり抜けて行くこともあれば今は自転車も車道を走ることは義務付けられています。なので通報をしてあげることはそういった方の安全を守ってあげる事にも繋がります。

私もなんでもかんでも通報しているわけではないのですが、車で走っていて落下物に驚いた場合、はしに落ちていても右に少しでも避けた場合、バイクなどに危険が及ぶ場合などは必ず連絡をしています。

通報は警察に?専用ダイヤルがあります

初めて通報するとなるとちょっと緊張するし、イザとなるとどこに通報していいか迷いますよね。そうこうしているうちに「まぁいいか」なんて思ってしまうのが人の心理。そんな時のために知っておきましょう。

通報は警察でも良いのですがもっと気軽な「道路緊急ダイヤル」というのが用意されています。高速のサービスエリアでお手洗いの壁の掲示物として貼ってあるので見たことがあるはずで、私もこの掲示物で知り積極的に通報を行うようになりました。

電話番号は「#9910」

道路緊急ダイヤルの電話番号は「#9910」でどの電話からかけても「無料」で通話できますし、一般/携帯電話共に通話可能。私は「シャープきゅうきゅうとうばん」と警察の「ひゃくとうばん」と同じように覚えています。案内ポスターが高速道路でしか見かけないので高速専用と思われがちですが一般道の落下物でも大丈夫で、「緊急ダイヤル」なんて少し大げさな名前なので落下物の質で緊急性を考えてしまいますが、小さな物でも事故に繋がる可能性はあるのでそういった事は気にせず連絡しましょう。

高速なら非常電話で

高速道路であれば1キロごと、高速のトンネル内には200メートルごと、他にもインターチェンジ、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)、バスストップ、非常駐車帯に「非常電話」が設置されています。通常非常電話には「故障・事故・救急・火災」のそれぞれのボタンがあり発信時に緊急性を伝える事ができるよう工夫されています。一瞬迷いますが落下物の場合は「事故」で大丈夫でしょう。

実際の電話はどんな感じ?

「道路緊急ダイヤル」に連絡するとこういったやり取りになります。

電話が繋がると音声ガイダンスが流れます。発信した地域に応じた専用ダイヤルになっていて、ガイダンスでは「〇〇高速道路に関しては1番、一般道に関しては2番を押して下さい」というような案内が流れます。スマホ操作が絶対に必要になるので、通報は同乗者もしくは安全な場所に停車して行う必要があります。番号を選択するとオペレータースタッフに繋がります。

電話がつながったら必ず最初に「落下物の通報です」と伝えましょう。

何を伝えたら良い?

スマホで連絡した場合オペレーターの人は通報者の所在確認をできません。なので詳しい場所を伝える必要があります。非常電話の場合は通報場所はわかりますが、落下物の場所は伝える必要があります。

高速の場合

高速の場合比較的伝えやすいです、なぜなら道路のはしに距離が書かれた数字の看板が立っているからです。なのでオペレーターに伝える場合まずは「高速の名前」を伝えましょう。次に落下物の位置ですが、看板の数字を覚えておき数字が125.8なら高速がどちら方面(例えば東京方面や神奈川方面など)かを伝え「東京方面の125.8キロポスト付近」といった感じに伝えます。もし場所の数字を思い出せなくてサービスエリアに来てしまった場合でも、○○サービスエリアの3キロ手前位とか、〇〇出口からサービスエリアまでの真ん中ぐらいとかでも大丈夫です。

次に落下物の詳細を伝えます。必要なのは落下物が何かが最初で、具体的にわからなければ木でできた大きな板とかでも大丈夫。次に大きさ、そして道路のどのあたりに落ちているか(中央分離帯近くで車線にはみ出して落ちてますなど)、そして他の車がどう避けていて、どんな風に危険かを伝えるとよりベストです。

文章にするとこんな感じ。

「”落下物の通報”です。”東名高速道路”の”東京方面””125.8キロポスト付近”で、”畳1枚分くらいの木製の板のような物”が”中央分離帯付近”に落ちていて、”車線に少しはみ出している”ので”通行する車が突然左に避けて危険そう”です。」

もし足りない情報があってもオペレータースタッフが聞いてくれるので最低限の情報でも大丈夫です。通報すると高速でよく見かける「3キロ先、落下物注意」のように電光掲示板ですぐ他のドライバーに伝えられます。高速ともなるとちょっとした落下物でも事故に繋がりやすいので、落下物の通報はとても大きな貢献になります。

一般道の場合

一般道の場合高速に比べ伝え方が少し難しくなります。

まずは今の道路がどこなのかを伝える必要があり、ナビなどで調べて国道○号線や県道○号線、〇〇道路などを伝えましょう。次にどの方面向きかを伝え、近くの目標物を伝えます。オペレーターはどうもその場で地図検索をしているようで、△スーパー〇〇店とか〇〇トンネルの近く、〇〇交差点付近、山中など目標物が乏しければ〇〇から山道に入って20分位走ったところなどと伝えます。後は高速の時と同じく落下物の状況を伝えれば大丈夫。

こちらも文章にしてみましょう。

「”落下物の通報”です。”国道1号線”の”△コンビニ〇〇店横の道路を愛知方面に入った山道”で”15分ほど走ったところ”に”ヘルメット”が”道の真ん中あたり”に落ちていて、”暗い道なので急ブレーキを踏んで危険”でした。”カーブの先なので見えにくい”です。」といった感じ。

一般道の場合高速に比べドライバーに事前予告をしにくいので事故の可能性も高くなります。なので積極的な通報はとても大きな意味をもつことになります。

落下物ってそんなに多いの?

落下物ってなかなか遭遇しないイメージもありますが、例えば首都高のある期間の統計ではだいたい1日60件程度の落下物処理が行われているそうで、その件数は年間2,000件以上にのぼります。これはあくまで首都高だけなので、全国とすれば膨大な数になるでしょう。

落下物事故は保険の対象になる?

もし落下物にぶつかって事故を起こした場合、扱いは「単独事故」となります。もし保険に入っている場合補償を受ける事が可能ですが翌年3等級下がり事故有係数適用は3年分追加されることとなります。ただし保険が通常よりも安い金額の「エコノミー」での契約の場合は残念ながら補償の対象とならず全額実費で修理することとなります。もちろん落とし主に責任があるので損害を弁償させる事は可能ですが、特に一般道においては落とし主の発見は難しいのでほぼ諦めざるを得ないでしょうし、被害者側への落下物への前方不注意も課せられるため過失割合が0になることはまず有りえませんし、走行中に前のトラックが飛ばした飛来物が当たった場合でも過失割合は50%近くになるようです。こういった事故を裂けるためにもドライバー同士で通報を積極的に行い助け合うことが大切です。

落下物は運転手の責任

落下物は運転手の責任というのはもうご存知のはず。トラックなどに乗っていなければ車から物を落とすことは極めて稀ですが、もし落下させたらどんな責任を問われるのでしょう。

意図しない落下物だと2点減点で反則金は9,000円。もし道路にゴミを投げ捨てるなど故意の落下物で被害が出た場合プラス懲役3ヶ月以下又は5万円以下、過失によっては10万円以下の罰金が課せられます。なおこれはきちんと通報していた場合の処罰で、通報の義務を怠り事故を引き起こした場合はそれに対する処罰も受けなければなりませんし、死亡事故につながった場合などは7年以下の懲役が課せられます。

落下物じゃなくても通報を

道路緊急ダイヤルは落下物以外の通報でも連絡ができます。私のケースだと先日ガードレールが事故で道路側にめくれておりバイクすり抜けなどに危険が及ぶため通報しました。例えばこんなケースがあっても通報をしましょう。

道路の陥没

高速なら即事故案件で、一般道でも国道であれば即工事が必要な損傷です。山道など車の往来が少ない場所だと長年放置されている可能性が高いですが、誰も通報されず気付かれないままかもしれません。念の為連絡を入れ判断を向こう側に任せるのもアリです。

水漏れ

道路の水漏れは水道管の破裂が主な原因ですが、水たまりができるとスリップ事故の原因になり冬だと凍って危険です。また一番怖いのが道路の陥没なのでこれは早急に連絡する必要があります。

動物の死骸

田舎暮らしをしていると残念ながら、犬や猫、タヌキなど動物がひかれた死骸を発見することは割と多いです。実はこれの通報もここで大丈夫なのだそうです。小型の動物であってもドライバーはとっさに避けますよね。それが事故に繋がる可能性もありますから念の為通報する方が良いでしょうし、自分がひいてしまった場合は必ず連絡しましょう。

自分の落下物

もしかしたら小さな角材1本くらい落としたら落ちたなぁ位で終わらせてるかもしれませんが、高速の場合など引き返して拾うことができません。そんな時にも落下させたことを早急に連絡しましょう。

ガードレールや案内標識の異常

山道などの移動可能なガードレールなどが事故のまま移動している場合や、台風で案内標識の方向が変わってしまっているなど、異常を感じたら連絡しましょう。

燃焼物

火事までとはいかなくても、例えば発煙筒がゴミに燃え移って火が出ているとか、燃えている物がある場合は火事に繋がる可能性があるのでこれは110番(警察)や119番(消防)に連絡するのが良いでしょう。

自分が安全運転を心がける事は一番大切ですが、ドライバー同士で安全を守っていくことも大切です。誰かが通報してくれるだろうとか、これはちょっと避ければ大丈夫なんて思わずに異常を感じたら積極的に通報していきましょう。