1日の家事が終わった後、深夜まで起きて、さんすうセットの大量の道具の1つ1つ、鉛筆1本1本、クレヨン1つ1つに名前を書く作業を想像してみてください…。想像するだけでもゾッとします。
もうすぐ新年度。新1年生の子どもを持つ親であれば必ず通らなければならない道があります。それが「学用品の名前書き」という、とてつもなく重労働な作業です。
3年前に娘が新1年生になり、その際、作業を軽減させるために使ったのが「カシオ ネームランド」です。ネームランドがあれば、そんな悩みも解決できます!
粘着性のラベルテープに印刷ができるスマホ対応プリンターで楽にプリントし、あとは貼っていくだけという簡単作業で、名前書きの重労働を逃れた経験を製品のメリットと共にお伝えします。
この記事のもくじ
ラベルプリンターは各社から発売されている
「ラベルプリンター」は様々な会社から発売されています。初めて製品化したのはブラザー工業で、現在はキングジムが「テプラ」として販売しています。
ラベルライターといえば、テプラが有名ですが、カシオの「ネームランド」もおすすめです。
この2つの製品に限っては、家電量販店に行くことで様々な種類のラベルカートリッジを安易に入手することができるのも特徴で、このどちらかを買っておけば将来的にもほぼ困ることはありません。
【テプラvsネームランド】ラベルプリンター比較
学用品用の名前ラベルを作ることを目的に、ラベルプリンターを購入することは話に上がっていて、王道のテプラか2番手のネームランドかという選択肢に絞られていました。
その中でも、キーボード搭載ではなく、ラベル印刷に特化したスマホ対応の製品に絞り込みました。
最終的に選んだのはカシオのネームランド。
一番の理由は、ネームランドはアダプターでも乾電池でも動作し、テプラは乾電池専用でコスパが悪かったからです。
他にも、テプラの定価が8,800円に対してネームランドは定価7,700円とリーズナブルで、角張って事務用品風デザインのテプラに対して、ネームランドの方が丸くて可愛いカジュアルなデザインというのも決め手となりました。
印刷だけに特化-シンプルな構造
購入したネームランドは「KL-SP10」というモデルで、後に対応するテープと機能が増加し、ラベルのオートカット機能が付いた「KL-SP100」という上位モデルも発売されていますが、定価も13,200円と倍近くになっているので、学用品の名前ラベルを作る目的であれば「KL-SP10」で十分です。
スマホ特化型なので、キーボードや液晶画面はなく、スッキリとしたシンプルなデザインです。
辞書ほどの厚みはありますが、サイズはCDケースくらいでコンパクト。重さも電池駆動でなければ見た目以上に軽いです。
本体についているボタンは電源とテープカットボタンのみで、あとは確認用のLEDランプがあるだけで、シンプルすぎるがゆえに逆に操作が難しいのではないかと思いそうですが、スマホのアプリに潔く全振りしたモデルなので、むしろキーボードがついたモデルよりも簡単に操作できます。
「ほぼプリンター」の内部
本体のフタを開けるとラベル・カセットをセットすることができます。
ここからわかるように、この本体が「ほぼプリンターだけ」という構造になっています。最低限のボタンやランプのみにとどめ、操作系はスマホに特化させ、要となるプリンター部だけの製品にすることによって、無線通信式でありながら7,700円という価格を実現させています。
ラベルカセットの入れ替えは前のものを外して入れるだけの簡単作業。ローラーを動かしたりなども全くない、女性や子供にも優しい設計です。
【簡単】ネームランドをスマホに接続する方法
本体のみでは印刷ができない製品なので、使用するにはまずスマホと接続する必要があります。iOS・Androidともに対応しており、スマホに専用アプリをインストールしBluetoothをオンにします。
※専用アプリはカシオ公式サイトからダウンロードできます。
https://support.casio.jp/download.php?cid=005&pid=2317
ネームランド本体の電源を入れた状態でアプリを起動すると順番に確認画面が出てくるので、それぞれの項目を選んでいくと簡単にスマホと繋がります。
確認画面が出なくても手動接続が可能
確認画面が出ない場合も手動設定が可能で、アプリ起動後の「設定」から「モデル名」の項目を選び、「KL-SP10」を指定します。
そこで機種名を別のものにしてしまうと接続できなくなるので、間違わないように注意しましょう。
1つ画面を戻り「プリント設定」の項目を開くと接続ボタンがあるので、「接続」を押せばスマホと接続されます。
スマホの大型液晶ならでは!デザイン作成
本体はとってもシンプルですが、「スマホで使う」ということを大前提としているため、スマホならではの特徴を活かし、視認性の高い大型の液晶画面で快適なラベル作成が可能です。
初期画面では、ラベルを0から自由に作るのか、用意されたテンプレートから作るのかなどを選ぶことができます。
一度作ったラベルデザインは保存しておくこともできるので、ここから呼び出すことも可能です。
可愛いフレームやイラストもつけられる!
ラベルには、文字だけでなく、フレームやイラスト、記号なども印字できます。名前シールにフレームを使ってあげるだけで子どもは大喜びしますよ。
うちの娘も、自分の名前の横に、イラストや記号が入った可愛いラベルを見て、とても喜んでいました。
もちろんフレームをつける機能はキーボード付きのモデルにも備わっていますが、設定方法も分かりづらく、あの小さな液晶画面で操作していくのには慣れが必要です。
22種類のフォント内蔵-スマホのフォントも利用できる!
文字の形をバラエティ豊かにするフォントもアプリ内に漢字11、かな11、英数字22フォント内蔵されており、スマホ内のフォントも使用することができるので、可愛いラベルをたくさん作ることができます。
スマホならではの印刷プレビュー
このモデルでの最大の特徴が、スマホの大きな画面を使った印刷プレビューです。
キーボード付きのモデルを使ったことのある人なら、実際に印刷してみると誤字があったり、フォントサイズが小さすぎたりなど、1度くらいは失敗した経験を持っているはずです。しかし、ネームランドがあれば、そんな悩みも解決!
本来白黒の小さな画面で行わなければいけない作業が、スマホアプリということでフレームやイラストが付き、フォントも反映された状態で印刷プレビューされるのはとても便利です。文字の打ち間違いも一発でわかるので、ラベルを無駄にすることもなく安心です。
完成したら印刷ボタンを押すだけ
納得できるデザインでラベルが完成したら、画面右下の印刷ボタンを押し、次の画面で印刷部数を選びスタートすれば、Bluetoothでネームランド本体にデザインデータが送信された後、印刷が始まります。
KL-SP10はラベルを自動でカットする機能が搭載されていないため、2部以上の印刷を選んだ場合、ラベルは連続して印字されることとなり、印字終了後にハサミでカットする必要があります。カットせずに連続印字された方が余白が少なくなり、使用するラベルの長さも短くなるので、自分で切るという手間はあるもののラベルの節約になります。
ラベルは横のスリットから出てくるので、印字終了後に上のカットボタンを押すとパチンと切れます。
ラスカルやくまモンのイラストもダウンロードできる!
スマホ対応のメリットは、画面が見やすい・操作が分かりやすいだけではありません。可愛いイラスト、暮らしや行政で使えるアイコンやフレーム、注意禁止用のイラスト、ホワイトボードのマグネットなのに活用できる絵文字、コロナ禍の時には感染症対策ラベルなど、無料で追加ダウンロードができるようになっています。
もちろん学用品の名前ラベルを作ることは想定されており、「おなまえ用イラスト」というダウンロードコンテンツも無料で用意されています。
人気のくまモンやラスカルなどもあり、名前シールにつけてあげると絶対に子どもは喜びます。くまモンは2025年10月まで、ラスカルは2025年6月までの限定なので、使用したい方はお早めに!
使用可能なラベルは数多く!
キーボード付きのモデルと比較し、スマホ対応モデルは安価なので使用できるラベルカセットも限られそうですが、たくさんの種類が利用可能です。
使用できるテープ幅は次の通り。
- 極細の3.5mm
- 6mm
- 9mm
- 12mm
- 極太の18mm
これ以上の太さとして24・36・46mmという極太のラインナップがありますが、正直このサイズになるとお店やオフィスなどで使う想定となるので、名前ラベルとしても18mmまでが理想的なので、これらの種類で十分に対応できます。
ラベルの種類もたくさんあって楽しめる!
ラベルの選択肢は太さだけではありません。黒のラベルに白で印字するテープや、貼り付ける物の素材を活かせる透明テープなどもあります。透明テープは箸入れなどの名前シールを作る時に重宝しました。
しっかり貼れる強粘着テープ
同じく箸に貼り付けるため活用したのが「9mmの強粘着テープ」。通常よりも粘着力が強いラベルで、食洗機で3年間洗っても剥がれることはなく、先に箸の方が折れてしまいました。
箸入れの方は強粘着ではなくスタンダードのラベルですが、同じく食洗機に入れても剥がれなかったので、いずれも粘着力は強いです。文字が擦れて消えてくるのではないかと心配する方もいるかもしれませんが、3年間で擦れて見えなくなったラベルは1つもありません。
布製品に布転写テープが便利!
巾着袋など学用品の中には布製の持ち物もいくつかあります。そんな時に便利なのが「布転写テープ」。アイロンを使用して印字した文字を布地に転写することができます。
名前の部分はぼかしを入れてあるので半透明となっていますが、猫のイラストの部分を見ていただければ、透明で下地に馴染んでいるのが分かります。目立ちやすいように赤色のテープで印字していますが、黒色と青色もあり、このラベルに限っては18mmのみとなっています。
これと似たもので「アイロン布テープ」という、テープを直接布地に貼り付ける透明ではないタイプのものもあります。
名前シールに適した「おなまえテープ」
あらかじめ絵柄がデザインされ名前シールに適した「おなまえテープ」は、凝ったデザインにしなくても可愛く仕上がるのでおすすめです。
人気のサンリオキャラクターも
女の子にはキティちゃん、キキララ、ポムポムプリンが下地に印字されている「サンリオキャラクターテープ」も可愛くておすすめです。
他にもバラエティ豊かなテープが
紹介した他にも、髪の素材でできたナチュラルな風合いの「クラフトテープ」、目立たせたい場所に最適な「蛍光色テープ」、淡いカラーのテープの上にグレーで文字を印刷し、クレヨンや文具に最適な「パステルアッシュテープ」、工業用ドライヤーで熱を加えると収縮するチューブでできた電気配線の管理に便利な「熱収縮チューブ」、抗菌仕様でキッチンや病院に適した「抗菌テープ」、強い粘着力で剥がす時に糊が残りにくい接着剤を採用した「キレイにはがせて下地がかくせる強粘着テープ」、強粘着ではがれにくく曲面にフィットする柔軟性仕様で、ケーブルに貼るのに適した「配線マーカーテープ」といった多くのラベルが使用可能です。
でもラベルカートリッジはお金がかからない?
本体やラベルを購入する以上、相応の出費は必要になりますが、ネームランド本体に関しては子どもが学生であるうちは利用でき、家庭内のあらゆる場所で活用することもできます。
ラベルは多機能なものになればお値段は上がりますが、学用品に貼り付ける上で一番多く使うであろう9mmのラベルだとAmazonでの販売価格はディスカウント価格で現在867円です。
ラベルは意外とたくさん印刷できる!
3年前の入学準備の際、たくさんの学用品にラベルを貼るためにラベルカートリッジをいくつか購入しましたが、3年経った今でも、まだ1本も使い切っていません。
こういった消耗品はどんどん使い終わるイメージがあったので、想像以上に印刷できていることに驚きです。
ライターの最後の想い
子育ては良い意味で「いかに手を抜ける工夫をするか」ということが重要で、これから子どもが小学校へ入学していくタイミングでエネルギー切れになってしまうと意味がありません。
ご紹介したネームランドの活用術は、子育てに一生懸命になられたい方にとっては愛情を感じられない方法かもしれませんが、1つ1つ名前を書くという時間と労力を削ることで、子どもと接する時間を確保することもでき、可愛くプリントされたラベルを学用品に貼ってあげることで愛着がわき、物を大切にする動機にもつながるかもしれません。
ラベルも購入すると本体含め1万円ほどの出費となりますが、今後も活用できることを考えると非常に価値の高い製品です。
経験者として、こういった製品を活用し、効率よく入学準備を進めていくことは、今後の息を切らさないためにもおすすめです。