【スーパーマリオ】なぜ全てのゲームの基礎となりえたのか

ここのところこのブログでも頻繁に扱っていますが、「スーパーマリオブラザーズ」が35周年記念イヤーです。

ということで35年前に発売された初代ファミコンソフト「スーパーマリオブラザーズ」について掘り下げていきます。

スーパーマリオブラザーズ

「スーパーマリオブラザーズ」は1985年9月13日に任天堂から発売されたアクションゲーム。

スタンダードな横スクロールのアクションゲームで、一時は商業的にも廃れていたゲーム業界に再びブームを巻き起こし家庭用ゲーム機を定着させたのがこのソフトです。

ゲームの内容については語るほども無くみなさんご存知なので、それ以外の部分について掘り下げていきます。

移植が多かったファミコン

そもそもファミコンはゲームセンターで稼働しているアーケードゲームが家庭でも気軽に遊べるという触れ込みで作られたマシンで、アーケード筐体を制作していた部署が事業縮小で時間を持て余したことで開発されたという経緯からもアーケードゲームを意識していたことが伺えます。

ファミコンが発売されたのは1983年7月で、スーパーマリオはファミコン登場から間もなくの発売に思えますが実のところ2年の間が空いており、その間に周辺機器のファミリーベーシックや光線銃、ロボットが発売されているなどある程度の認知度が高まってから発売されたソフトでした。

サードパーティも参加

すでに今でも有名なナムコやコナミ、タイトー、ハドソンなども参加しており、パックマンやゼビウス、マッピー、スペースインベーダー、ハイパーオリンピックなど、ゲームセンターで人気だったゲームが移植され、実際完成度や再現度も高く高い評価を得ていたそうです。

いまでこそ最新のゲームマシンと比べるとドットも荒くBGMもチープなゲームマシンに思えますが、当時としてはグラフィック性能も良くコスパに長けたゲーム機だったのです。

こういったアーケードゲームが発売された後に登場するのがスーパーマリオです。

スーパーマリオが発売されるやいなや、ファミコンは爆発的に売れ品薄状態に。

後にファミコン本体がNESとして海外展開したときにも大きな起爆剤となり、アメリカにおいてもニンテンドーがゲーム帝国の王者として君臨するきっかけにもなりました。

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世代を超えてヒットした理由

スーパーマリオが爆発的にヒットしたのはゲーム初心者からやりこみゲーマーまで、そして世代を超えてプレイされたからで、その秘密はスタートボタンを押してゲームが始まったたった10秒ほどで明らかになります。

開始10秒で起こること

ゲームがスタートするといきなり背景だけの世界に放り出されます。

初見プレイだとゲームの操作方法なんてわからないのでコントローラーを色々いじるわけですが、そのうち右に動けることがわかります。

これで主人公は右に動けること、右に動いていく事を学びます。

この部分では敵は出てこないので少し余裕をもって操作の練習ができたはずです。

右に進むとレンガのブロック、?のブロック、そして敵が1匹出てきます。

まずは一番近い「?」が気になります。

だって「?」ですよ、何かあるに決まってます。

ジャンプして叩いてみるとコインが出てきます。

これで「?」はコインが出るブロックだと学びました。

そうこうしているうちになんか目つきの悪いのがやってきます。

目つきが悪いからこいつは絶対敵だってわかります。

避けるべきか何か倒す方法があるのか?

避けてもよいけれど始まって10秒くらいだしここでやられてもリセットボタンを押せばやり直せる。

じゃぁ踏んでみようということで、敵を踏んで倒せるということを学びます。

敵を攻撃したらまたブロックが並んでる。

レンガのブロックは叩いても何も起こらない。

また「?」があるのでコインが出るから叩いてみる。

なんかキノコが出てきた。

これは目つきも悪くないし色も鮮やか、食べ物だし取っても大丈夫そう。

取ってみたら巨大になった。

以上が開始10秒ほどで体験することです。

スタートはチュートリアル

実はここ意図してかはわかりませんが、今のゲームで言うチュートリアルになっているんですよね。

もし最近のゲームであれば、ここでジャンプとか、方向の矢印、ここを叩けとか出るのですが、まだまだそんなチュートリアルなんて意識されていなかった時代。

開始2秒でわけもわからず死ぬ「トランスフォーマー」とか、スタート直後の部屋に入るだけでナイフが刺さって死ぬ「ミシシッピー殺人事件」とか、自分の身長以上の高さから飛び降りただけで死ぬ「スペランカー」とかがあった時代なのに、スーパーマリオの1-1はとても考え抜かれています。

だからこそ小さな子どもから大人まで最初からくじけず楽しくプレイできたのでしょう。

多彩なステージ

スーパーマリオの楽しさの1つが多彩なステージがあること。

せっかくなのでどんなステージがあったか見ていきましょう。

地上

最もスタンダードなステージが地上。

とにかくアイテムを取って敵を倒して素早くゴールに向かうステージで、比較的息抜きのステージかも。

ただし広範になるほど敵も増え出現パターンも姑息に。

ただし回避もしやすいステージ構成なのでゲームをプレイしている楽しさを実感できるステージです。

地下

スーパーマリオと言えば有名なステージが地下。

音楽も地上とは違い低音メインで怪しさを醸し出しています。

基本的に障害物が多く、落とし穴のトラップも多数。

狭い場所を進む必要もあるので初見でノーミスはかなりのテクニックが要求されるステージです。

アスレチック

上下のある足場をうまく行き来しながらとにかく落下しないように注意が必要なステージ。

ただでさえタイミングや操作テクニックが必要なのに姑息な場所に敵が配置されておりミスしやすくなっています。

キノコデザインのステージもあり、可愛い見た目に関わらず難易度の高いステージのひとつ。

水中

とっても優雅な音楽なのに他のステージと比べ動きに制限があるので慣れが必要。

しかも敵は縦横無尽に泳いで接近してくるので避けることにも必死。

アイテムとかコインとかよりも、とにかく逃げるのがメインのステージです。

スーパーマリオの音楽はここが一番最初に作られたそうですよ。

吊り橋

トビウオであるプクプク、トビプクが弧を描いて飛ぶ中、橋をどんどん渡っていく反射神経が試されるステージ。

途中カメのノコノコが邪魔してくるのでジャンプで避けつつ進むのはテクニックが必要。

1つに気を取られていると途端にミスするので要注意ステージ。

ジュゲム&トゲゾー

このステージで泣いた人は数しれず。

とにかく雲に乗ったジュゲムがトゲゾーを投げてくるので、頭上に注意しながら進まないといけないステージ。

しかもトゲゾーは踏みつけには無敵なので障害物に追い詰められてミスした人も多いのでは?

キラー大砲

後半に出てくる大砲ステージ。

低い位置に設置された大砲から発射されるキラーを避けつつ進む必要があり、他の敵も待ち構えているのでなかなかアイテムを取りにくいステージになります。

このステージでも何度ミスしたことでしょう。

城壁前

ラストステージであるクッパ城に入る直前に現れるのが城壁のステージ。

ほとんど平面に進む単純なステージと思いきや、今まで現れた様々な敵が待ち構えています。

また平面というのがアダとなり、上下に回避することができないのでちびマリオだとかなりきついステージになります。

いままでの雰囲気と違って、最後の戦いが近づいていることを予感させるステージ構成はさすがと言えます。

各ワールドの4面に必ず登場するのが城ステージです。

とにかくそれまでプレイしてきた前半3ステージのテクニックを全て応用する必要があり、それに加えてそもそも進行のタイミングを考えないと行けないファイヤーバーや、溶岩から飛び出る障害物などとにかくテクニック必須のステージ。

危機感のある音楽もマッチして心理的にも焦らされるステージです。

後半になってくると城内はさらに難易度が高くなり、決まったルートを辿ったり正解の土管に潜らないと無限ループする箇所や、いきなりファイヤーバーの回転する水中ステージに行ったりとにかくプレイヤーの行く手を阻んできます。

実は5ステージだった

これだけ多彩なステージが用意されているので、8×4の全32ステージはとにかく飽きずにプレイが可能。

でも企画段階では5ワールドまでの想定だったそうで、生みの親である宮本さんが企画書に細工をして強引に8ステージにしたそうです。

ただワールド5までだったら各ワールドの難易度の上がり方も極端で、長くも遊べないので今のようには人気は出なかったかもしれません。

やっぱりスーパーマリオって8×4がしっくりきますよね。

隠し要素

スーパーマリオと言えば隠し要素の楽しさがあります。

現代でこそ隠し部屋とか隠しアイテムなどは当たり前になり、ゲームの中で発見する喜びをもたらしてくれますが、スーパーマリオの隠し要素は当時から群を抜いています。

そんな隠し要素をご紹介。

地下

スーパーマリオのアイコンとも言える土管に潜るという動作。

土管に潜った先にあるのはコインザクザクの地下です。

今となっては体が覚えていて自然と潜りますが、当時はとにかく全部の土管を試すというのをやってましたよね。

隠れ雲

ツルを見つけると行けるのが雲のステージ。

動く雲に乗りながらコインを取っていくテクニックが多少必要になるボーナスステージ。

隠しブロック

何も無い場所でジャンプすると突然現れる隠れたブロック。

アイテムだったり足場になったり、今となっては当たり前ですが初見で発見した時はテンション上がったことでしょう。

実は行けちゃう場所

地下や城ステージには、実は天井のブロックを崩して登れる場所があったりします。

スコア表示などに重なる部分で、通常のゲームであれば壊せないブロックで作るのが一般的。

それなのにそこを通れるようにした遊び心には関心させられます。

天井を通る事によって難しい箇所を回避できると共に、次に紹介するワープ土管も発見できたりする考え抜かれた設計です。

ワープ土管

隠し通路を抜けると現れるのがワープ土管。

数面先に進めるのでとっても便利です。

ゲームの製作者なら時間をかけてプレイしてもらいたいはず。

それなのにこういった要素を惜しげもなく入れるのは凄いですね。

しかも隠し通路の先なので、初見で発見した時の驚きは相当なもんだったでしょう。

今も活かされるマリオのフォーマット

スーパーマリオ以前にもアクションゲームはあったはずなので、このゲームが全くのオリジナル要素だけで作られたわけでは無いはずです。

ただ、現在までのアクションゲームがスーパーマリオをお手本にして作られていることは間違いないでしょう。

SEGAの人気ゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」もスーパーマリオに対抗して開発されたゲームですから。

スーパーマリオが与えた影響について見ていきましょう。

無敵

アクションゲームにとって無敵になれるアイテムは当たり前のように登場しますが、スーパーマリオの無敵は爽快感のあるもので、高揚感のある音楽、無敵そうな光り方、それっぽいアイテムのスターなど考え抜かれており、その数秒がとにかく楽しくなるような仕掛けになっています。

他のゲームでも無敵状態で機敏になったりジャンプの仕方が変わる、音楽が変わるなどの演出がありますが、やはりスーパーマリオのフォーマットが影響しているのではないでしょうか。

パワーアップ

もしゲームを作るのなら、当初から大きいキャラクターが攻撃を受けることで小さくなるようなパワーダウン形式を考えるかなと思います。

「魔界村」の主人公が攻撃で鎧が脱げるのもそうだし、「ツインビー」で手が取れるのだったり、「いっき」なんてカマの攻撃のほうが強いのに、スタート直後から出てくる竹やりを取ったがために攻撃力貧弱になりますし。

早々にスタート直後にキノコを取らせて1段階パワーアップさせる手法は今更考えるとよくできているなと。

他のゲームやっていてもパワーアップアイテムってちょっと進めてやっと出てくるのに、体が巨大化するようなアイテムを開始10秒で出すというのは1つの成功例じゃないでしょうか。

これはもしかすると、はじめから大きなキャラクターが小さくなる仕組みは嫌で、まずは早々に大きくさせたかったのかもしれませんね。

コイン100枚

コイン100枚で1UP。

昔のゲームってとにかく残機が増えない印象ないですか?

実際増えにくいのはたしかで、10万点とかスコアを稼いでやっと増えるくらい。

スーパーマリオのコイン100枚取って1UPって、こんなにわかりやすい残機アップの仕組みって無いんじゃないでしょうか。

もちろん1UPアイテムを取ることが一番容易なんですが、心理的な部分でもハードルを下げているのがこのコインでの1UPでしょう。

「クラッシュ・バンディクー」もリンゴ100個で1UPしますし、100個集めて増えるフォーマットを作ったのは間違いないでしょう。

バランス調整

スーパーマリオって実際プレイしてみると敵キャラって思ったほど多く出てきません。

むしろ穴を飛び越えたり、上手に障害物を回避したりが忙しい印象です。

それに殆どの敵が飛び道具を持っていませんし、不注意で当たらなければダメージを受けることもありません。

もし敵が飛び道具で攻撃してくるのが多くて、うじゃうじゃいたらくじけていたかもしれません。

このあたり絶妙にゲームバランスが調整されていて、集中して飛び越えるとか、ここは連続で敵を回避するとか、冷静にやってみると成功しやすいような構成になっています。

「トゥームレイダー」や「アンチャーテッド」などでも、敵と戦うパート、障害物を回避したり壁をうまく登っていくパートなどが別れていますし、爽快感のあるアクションゲームは敵が出てこなくてひたすらダッシュする場面が登場するなど、スーパーマリオに似たゲームバランスの物が多いように思えます。

多彩なステージ

スーパーマリオ以前は同じようなところを敵の難易度が変わるだけでプレイしていくゲームが多かったように思います。

ただ発売して以降は、「パックランド」や「オバケのQ太郎 ワンワンパニック」「忍者ハットリくん」など、横スクロールアクションとして登場する作品は軒並み風景が変わるゲームが増えました。

ただ他のゲームはひたすら左から右にというステージ構成で、マリオのような上下左右の感覚を味わえるゲームはなかなか少なかったように思えます。

BGM

世界で一番知名度のあるゲーム音楽ってスーパーマリオじゃないでしょうか。

スーパーマリオ登場以前にもキャッチーなBGMの「マッピー」やクラシック音楽を用いた「けっきょく南極大冒険」などもありましたが、単音でメロディーのみ奏でているとか、ピロピロ鳴ってるだけとか、そもそも効果音しか鳴らないゲームも多かった時代です。

スーパーマリオはとにかく音楽に力が入っている印象で、これ以降ファミコンのゲーム音楽がバラエティ豊かになったのは言うまでもありません。

それにしてもマリオは音楽もそうですが、コインを取るSEとかジャンプのSEまで1つのブランドとして確立されているのが恐るべしです。

敵キャラ

スーパーマリオの敵キャラはどれも名前が付いていて、見た目もちょっと憎めないヤツばかり。

ゲームの世界でほとんど敵キャラの名前を言えるのはスーパーマリオくらいじゃないでしょうか。

それにしてもどうやって覚えたのか謎です。

敵キャラなのにぬいぐるみとかキャラクターグッズもけっこう出てたりして、敵イコール怖い、見た目悪いという印象を変えたのではないでしょうか。

こういうのはナムコとかも当時から上手だったように思えます。

あとはやっぱりドラクエですね。

スーパーマリオはそもそも敵キャラたちが世界観を作っているような感じです。

マリオという安心感

35年経ったいまでもスーパーマリオの最新作が登場してきて楽しめるのは、スーパーマリオのフォーマットの安心感故にでしょう。

新しい要素は加わり、グラフィックも綺麗になり、パワーアップアイテムも増加、空も飛べるようになったり、フィールドが3Dになっても基本であるジャンプとダッシュは変わらず、ブロックを叩いてアイテムを探したり地下に潜ったり。

やはり体に染み付いたこのパターンのやりやすさ、心地良さがあるのでしょう。

でもやっぱり一番は画面の中にマリオがいてくれることでしょうか。

今後も新しい要素を追加したスーパーマリオが登場してくるでしょうから、次はどんなワールドを見せてくれるのかがとっても楽しみですね!

スーパーマリオブラザーズは任天堂の登録商標です。

ゲーム画面は全て任天堂ソフトスーパーマリオブラザーズによるものです。