この記事のもくじ
噂のPOCKET 2がついに発売
リーク画像からかねてから発売が噂されていたDJI OSMO POCKETの新機種、DJI POCKET 2がついに発表されました。
OSMOの名前が取り払われていますが、先日発売されたDJI OM4などもそうで、今後はOSMOのブランドは無しで展開していくようです。
見た目は初代の姿を踏襲していますが、中身はグンとアップグレードされていますよ。
大きさや重さは?
まずは本体についてですが、初代OSMOが121.9×36.9×28.6 mmなのに対して124.7×38.1×30 mmと約2ミリずつくらい大きくなり、重さは1グラム増加の117グラムで、見た目や持った感覚では誤差がわからない程度の増加になっています。
この誤差に収めたのは初代OSMOの様々なオプションパーツを活用するためと思われ、既存OSMOオーナーにとってもそのまま移行できるのはありがたいですね。
見た目としてはカメラ周りに赤いラインが入って違いを強調していることと、初代OSMOがカメラ切り替えボタンが電源兼用だったのに対し、右サイドに電源ボタンが追加されています。
カメラ性能がアップグレード
3軸ジンバルカメラなのでカメラ性能が良くなっていないと新しくなった意味がありません、
イメージセンサーが大型化
初代OSMOのセンサーが1/2.3インチCMOSだったのに対して、POCKET 2では1/1.7インチCMOSへと更に大きく進化しています。
キチッと公表されていないようですが、iPhone 12 Pro Maxがこの程度のイメージセンサーと言われているのでイメージしやすいかなと思われます。
大型化の恩恵は画質向上もそうなのですが夜の撮影でも威力を発揮し、ISO感度も最高で2倍の6400に向上。
ISO感度は光を取り込む量を増幅させるので、その分シャッタースピードを早くすることができます。
ということはよりブレの少ない撮影が可能になるので特に夜の撮影ではより明るくブレの少ない撮影が可能になることでしょう。
画質も1200万画素から最高6400万画素へと大幅増加し、このサイズのカメラでは最高画素数を誇ります。
高画質なiPhoneなどでも現在1200万画素が最大となっているので、その他のセンサーやレンズ、内部処理なども関係しますが、単純に大きな画素数で撮影ができることになったのは大きなメリットだと言えます。
画角が広がりセルフィーもより便利に
以前の80°から93°へと画角が広がりました。
画角とはカメラから見た角度の事で、同じ距離でも大きな画角になると今までより広い範囲が撮影できるようになります。
初代OSMOを手持ちセルフィーで広めに撮影する場合、手を思いっきり伸ばす必要や距離を延長できるロッドが必要でしたが、画角の広がりによりそういった工夫もかなり緩和されるようです。
スマホでも広角レンズが搭載され始めて広角撮影の用途も広がっているので、画角が広がったことはメリットの一つ。
同じく焦点距離も26mmから20mmに改善され、より広い範囲での撮影が可能に。
カメラに入る光の量を調節する絞り値もF2.0からF1.8へと改善されています。
オートフォーカス
動物など動きの早い対象物を撮影する時にオートフォーカスの性能が悪いとなかなかピントが合わずにイライラしますよね。
特に昔の安いビデオカメラなどでもそういうのが起こっていたのですが、より進化したハイブリッドAF 2.0が新搭載。
初代OSMOでもフォーカスの遅さって正直気にならなかったのですが、それがさらに進化したのなら言うまでもありません。
より進化し便利になった撮影機能
初代OSMOはジンバル機能を重視し、難しく考えずに誰でも安定した撮影ができることを念頭に作られていました。
POCKET 2ではより便利に進化を遂げています。
8倍ズームを新搭載
初代OSMOで不便だったのがズーム機能が無いこと。
メーカーからしたらズーム撮影をするほどブレの目立ちが顕著になりますから、できるだけズーム機能は搭載したくはないはずです。
ただ初代発売から2年の間に技術も向上したのでしょう。
待望の8倍ズーム、4倍ロスレスズーム機能が搭載されました。
単にズームされるだけではなく、ズーム倍率に応じて対象の音声も大きく拾い、より高度な録画撮影ができるようになっています。
HDR動画撮影
スマホでも当たり前のように搭載されており、ONのまま使っている人も多いと思うのですがHDR動画撮影モードを新搭載。
HDRというのはHigh Dynamic Rangeの頭文字を並べたもの。
日中部屋の中を撮影したとき窓の外の景色も同時に撮影しようとすると、部屋の中を明るく撮影しようと思えば窓の外は明るくなりすぎて白く飛んでしまうし、外の光に基準を合わせると部屋の中は暗く写ってしまうなど、妥協した撮影しかできない状態でした。
HDRは明るいシーン、暗いシーン、その中間の明るさのシーンなど3つ以上を同時に撮影しちょうど良い感じに合成してくれる機能。
今まで白く飛んでしまったり暗く映ってしまっていたシーンも、影の部分が真っ暗になって映ってしまった自然の景色も、より立体感のある映像として撮影できるようになりますね。
8倍スロー撮影
初代OSMOにも4倍スロー撮影が搭載されていていましたが、8倍スロー撮影まで対応しました。
実はOSMOとスロー撮影ってとっても相性が良くて、安定した映像のため対象となる被写体がより際立って撮影することができます。
今回はスロー倍率も増したので、スポーツの決定的シーンなどより用途の広い撮影が可能になっています。
進化した音声収録
もしかしたら一番進化が大きいのが音声収録じゃないかと思うのですが、初代OSMOはモノラル音声のみしか収録することができませんでした。
これは外部マイクを利用したところでも仕様としてモノラルのみになり、残念な部分として挙げられていたほどです。
今回はDJI マトリックス ステレオという仕組みが搭載され、初代は2つのマイクでモノラル録音していたものが4つのマイクで立体的な音声を収録できるように進化。
カメラの後ろで鳴っている音は後ろ側で聞こえるような没入感のあるサウンド収録が可能になりました。
多数のオプション品がセットされたCreatorコンボではワイヤレスマイクも付属し、テレビ撮影のピンマイクのような感覚でワイヤレスで音声収録をすることも可能。
ミニ操作スティック
初代OSMOの欠点の一つが、本体のみでカメラ操作が困難だったことです。
そのため別売りのコントローラーホイールや延長ロッドでを購入し操作する人も多かったはず。
POCKET 2ではミニ操作スティックが付属し、以前はホイール回転型で上下、左右それぞれが切り替え方式だったものが、ジョイスティック型となり柔軟な操作ができるように改善されています。
オプション充実Creatorコンボ
先にワイヤレスマイクの付属を紹介しましたが、価格が15900円高いCreatorコンボにはそれだけでも十分な撮影が始められるオプション品が付属しています。
Do-It-Allハンドル
Wi-Fi&Bluetooth、オーディオ ジャック、ワイヤレスマイクレシーバー、スピーカー、三脚マウントを内蔵し、Pocket 2の下部に装着するようになっています。
本体がもう少し長くなるような形になるので、持ちやすさも向上しそうです。
DJI Pocket 2 広角レンズ
画角をより広く110°に広げる広角レンズです。
マイクロ三脚
些細ですがけっこう便利そうなのがこの三脚。
実は初代OSMOはカメラでありながら三脚取付けネジが搭載されていなかったのです。
そのためサプライ品でそういったオプションパーツなどを別途購入する必要があったのですが、POCKET 2は底面がフタ式で外れるようになっていて、そこにオプションパーツをはめ込んで使えるようになっています。
標準モデルにも三脚マウントのオプションが付属していますが、こちらのバージョンでは更に三脚が付属。
この三脚クルッと回して足を開くというDJIらしいギミックの構造で、けっこう面白いなと感じました。
初代と2、どっちが良い?
新しいモデルが出ましたが、現在のところ新型への置き換えではなく初代OSMOも併売していくようです。
となるとどちらが良いかということになりますが、単純に考えると新しい物の方が良いように思えます。
ただ、初代OSMOの価格もだいぶ下がって現在アマゾンだと37190円で新型と比較すると約12000円の差。
それに初代OSMOはいまだに人気もあり、ジンバル搭載カメラの先駆けとしてそれなり存在感を保っています。
日常的に気軽に安定した撮影をするならOSMO POCKETでも十分な撮影が可能で、なおかつ新型よりも1万円以上安く購入できるのはメリットだと考えます。
音声もしっかり、景色もディテールにこだって撮影したいというクリエイター思考の方なら迷わずDJI POCKET 2でしょう。
いずれにしても撮影の世界観を大きく広げてくれるカメラなので、スマホからステップアップしたい人には絶対オススメのカメラです。