動画の保存やDVD、Blu-ray関連のソフト界隈では人気のあるソフト「DVDfab」のシリーズ、最近はその技術力を活かしてAIを活用した動画や画像編集ソフトも開発しています。しかも更新頻度も高く(下手したら1週間単位レベル)どんどんバグ修正や機能追加が行われるというデキるソフトハウスなのですが、AIによる写真加工ソフト「写真加工AI」というソフト、以前もレビュー記事を上げていたのですがリリース時よりかなりバージョンアップしたので、複数回に分けてレビューしていきます。
【第1回記事】【DVDfab写真加工AI】その1/AIで写真を簡単に拡大-加工後はシャープな写真に大変身
【第2回記事】【DVDfab写真加工AI】その2/AIでブレた写真をシャープに-モーションブラーの写真を修正する
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AI学習で写真のノイズ除去・40倍拡大 DVDfab「Photo Enhancer AI」で簡単に写真を修正してみよう
この記事のもくじ
写真加工AI
写真加工AI(DVDFab Photo Enhancer AI)はFengtao Softwareが開発したAIを用いたWindows専用の写真加工ソフトで、AdobeフォトショップやLightroomなどのように複数の機能やパラメーターを設定することなく、AIのニューラルネットワーク(人間の脳をコンピューターで再現する仕組み)を活用し、例えば高画質を維持したまま写真を最大4,000%拡大したり、スマホアプリでもあるようなコミック風の写真に仕上げたり、モノクロ写真をカラー化したり、ぼやっとした写真をシャープにしたりと、最先端の技術を手軽に活用しながら手持ちの写真を高画質化できるソフトです。
このレビューでは現在公開されている機能を複数回に分けて順番に試して検証しており、今回は第3回目の記事になります。
ノイズ除去
暗い場所や夜にスマホで撮影すると全体的にざらついた写真になることが多くあります。
暗い場所や夜の撮影は多くの光を取り入れて撮影する必要があり、一番簡単な方法としてはシャッタースピードを遅くするというのがあるのですが、シャッタが−切れるまでの間ブレずにスマホを構えておく必要があります。夜の撮影でブレた写真が撮れた経験は何度もあるはずですが、あれはシャッターが切れるまでにスマホを動かしたために起こった現象です。
ISO感度
それを補うためにISO感度というものが用いられているのですが、これによって早い時間でも多くの光をとり入れる事が可能になり、特にスマホのようなブレやすい持ち方や撮影スタイルのデバイスではこれによって比較的明るい写真が撮影できるよう工夫がなされています。
ただ欠点もあり、感度を上げることによって高感度ノイズというものが発生し、写真全体に白い点々が無数に現れ日中に撮影した写真と比較できないほど一昔前のカメラで撮影したような残念な写真になってしまいます。
次の写真はiPhone 11 Pro Maxで撮影した夜の写真です。
淡い光に照らされたような写真ですが、実際撮影したのはほとんど明るさの無い夜の標識で、iPhoneの明るさ調整機能により明るい写真として撮影されています。ただし見ての通り明るさと引き換えに全体的にノイズが多く混じり残念な結果となっています。
わかりやすく拡大した写真がこちら。
黒い背景はもちろんのこと標識の前にもノイズが現れ全体的にフィルターをかけたような写真になっています。
今回はこの写真がどれくらい修正されるかを試していきます。
作業開始
では実際作業をしていきます。このモードを立ち上げた初期画面がこちらです。
変更するパラメータは「ノイズを抑制する」と「鋭くする」の2項目のみ。本当にこんな少ないパラメーターでノイズが緩和されるのか不安なところですが、多くの修正はAIが担ってくれるので基本的な部分だけで良いのです。
写真の読み込み
修正したい写真をウインドウに放り込むと自動的に読み込まれ、自動プレビューがONになっているとそのまま修正が始まります。
初期設定ではノイズ抑制と鋭くする(シャープ)が共に15なのですが、この設定での出力画像はこんな感じに。
30の標識が若干シャープになったくらいかな程度で、正直これではノイズが削除されたかどうかがわからない程度。
念の為アップで比較してみます。
アップにすると実はちゃんと処理がなされていることがわかります。全体的にヌメッとした写真がよりシャープに修正され、看板などの輪郭もよりハッキリしています。ただ今回求めているのはシャープな画像にするのではなくノイズ除去。もう少し設定を変えて試してみます。
数値を変更
今度はノイズ抑制を60、シャープ30で試してみました。それで出来上がったのがこちら。
どうでしょう、明らかに差が出たのがわかりますね。AIのチカラってすごい!
わかりやすいよう比較画像を用意してみます。
ノイジーな空からノイズが無くなり、特に下に写っている白い建物のノイズが抑えられているのがわかりやすいですね。
拡大比較画像も見てみましょう。
拡大すると修正が顕著に確認できますね。背景からはノイズが消えそれぞれのオブジェクトにメリハリが出たので、標識に立体感が増していることがわかります。
人物で試してみる
フリー素材サイトから無料の写真をお借りして試してみます。恐らく昭和ごろの写真をスキャンしたものだと思われる素材です。
ノイズ抑制60、シャープ30の設定です。劇的な変化は無いものの、全体的にぼやっとした感じが無くなりハリのある写真へと生まれ変わりました。
ハリが出て立体的な写真に
右後ろに写り込んだ女の子はハリが出たため背景に埋もれず立体感が出ていますし、男の子のズボンの柄がストライプだったことも判明。そのせいでチャックを上げ忘れている事まで発覚するという。空の色合いなどもAIで修正されていますね。
ここから見て取れるように、昔の写真の修正にも大いに活用価値がありそうです。
今回はノイズ除去のみだったのですが、修正後の写真を他の修正項目で更に修正することによってPhotoShopなどの高価で高度なツールを使わずに素人でもそこそこの修正ができるようになります。ソフトは頻繁に修正が行われており、AI学習プログラムもアップデートされているので、また時間が経つとより良い結果が出せそうです。
次回、第4回は「写真を魅力的に加工」についてレビューしていきます。
ソフトの購入や詳細は下記の公式サイトへ
【第1回記事】【DVDfab写真加工AI】その1/AIで写真を簡単に拡大-加工後はシャープな写真に大変身
【第2回記事】【DVDfab写真加工AI】その2/AIでブレた写真をシャープに-モーションブラーの写真を修正する
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